「光る君へ」渡辺大知、人生初の推しはSMAP 「推しは生きる力になる」
「道長は単なる推しっていうよりも自分の人生に必要な存在というニュアンスで、どちらかというと一条天皇の方が推しに近い存在なのかなと。一条天皇はすごく聡明で、自分の意見もしっかり持った上で、気にし過ぎなぐらい周りを気にかける人だと思うんですけど、若さゆえ感情のままに突っ走りがちで、周りを振り回すことが多い。行成は一条天皇の近くにいるので、“本当は自分でも悪いことだと思っているけど、こういう行動をしてしまうんだな”といったふうに理解していると思うんですよね。なので、立場的には今の発言はナシだなと思っても、一個人としては愛せてしまうのではないか。そう考えると、人って時間じゃなくて距離なんだなとも思います。近くにいることでその人のことをだんだん分かっていくというか。行成は一条天皇のいわばマネージャー、執事みたいなポジションになっていって、一条天皇が行成にだけ弱音を吐くみたいなところもあるんですよね。行成はそんな一条天皇の苦悩を受け止めて単なるわがままにせず、自分だけは汲み取ってあげたいと思う。行成が一条天皇と道長の板挟みにあって悩むのは、多分ビジネスとして割り切れなかったからなのかなと。道長とも、一条天皇とも人間として向き合ってしまったからこそ、苦しんだのかなと僕は考えています」
そう語る渡辺に、かつて突き動かされるような推しの存在はいたのかと問うと、「僕もただのオタクっていうか、完全にそういうモチベーションだけで生きてきた気がしています」と即答。「“この人みたいになりたい”と思ったことはないのですが、“この人にいつか会いたいから頑張る”とか、そんなことだらけでした」と言い、憧れの存在としてSMAPを挙げた。
「音楽を始める前の話でいうと、小学校時代にはとにかくSMAPさんが好きで、最初にオタクになったのがSMAPさんでした。ファンクラブにも入っていたぐらいで。自分もこの人たちと関わる仕事をしたいと思ったのは大きかった気がします。残念ながら夢叶わずでしたけど“SMAP×SMAP”に出たいとか。自分の推しがいるっていうのはパワーとしては強いと思いますね。そういう意味では行成も完全にオタクだと思います。人に対してもそうだし、書に対してもそうだし。何かに没頭できるっていうのは、それが人であれ、趣味であれ、生きる力になっていくというか、自分もそういうものの力を信じてるところはありますね」と目を輝かせていた。(編集部・石井百合子)