お寺が相談にのってくれる僧侶による終活サポートサービス
終活したいが、何をしていいのかわからないと悩んでいる高齢者が多い。そこで手をあげたのが、お寺のお坊さんだ。寺院はかつて地域の集いの場であり、僧侶は相談役だった。そうしたお寺の役割を取り戻そうと、ひとりの僧侶が起業した。 実家がお寺で浄土真宗本願寺派の僧侶である竹田啓氏は、人々から死後の心配ごとを相談されたときに寺としての解決策を提示できなかった経験からOTERAを創業し、お寺起点の地域型終活サービス「お寺で終活」をリリースした。OTERAはまた、経営難に悩む寺院のサポートも行っている。 「お寺で終活」では、終活有資格者による無料相談を受け付けて具体的なアドバイスを行うが、必要に応じて各分野の専門家を紹介する。提携した寺院でも簡単な相談を受け付け、OTERAと情報連携を行う。さらに、お墓、葬儀、相続、生前整理、死後事務委任などの手配も請け負う。 終活だけではない。「公益性を持った形で、社会に広く門戸を開き、社会的機能を果たしていく取り組み」がお寺に求められているとし、社会から孤立して日常生活に困難をきたした独居老人への支援も視野に入れている。 また、経営に窮するお寺に向けた事業も行っている。浄土真宗本願寺派の寺院は全国に1万カ寺あるが、その43パーセントは年収300万円以下だという。それでは寺の運営がままならず、地域からお寺がなくなる恐れもある。そこでOTERAは、寺院の経営を立て直すためのサポートを提供する。同サービスに無料登録すれば、終活カウンセラーや終活領域の企業との連携が可能になる。お寺の魅力を発信するためのホームページ作成も手がけている。 現在は関東地方を中心に提携寺院を募集している。
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