亡き母の命日に白星 ソフトバンク小久保監督「野球との出合い与えてくれた母に感謝したい」 WBCを見届け天国へ
◆オリックス2―5ソフトバンク(31日、京セラドーム大阪) ソフトバンクが終盤までもつれた試合を制し、開幕カードを2勝1敗と勝ち越した。8年ぶりの敵地開幕で上々のスタートを切り、就任1年目の小久保裕紀監督(52)は、特別な日の白星に笑顔を浮かべた。 ■「えーっ!ラブラブですやん」柳田が夫人と2ショット【写真】 開幕前日(28日)、小久保監督は福岡の自宅で仏壇に手を合わせた。勝負の際につけるという黄色いネクタイをビシッと締め、1軍監督として初の開幕戦を戦う大阪に向かった。「個人的なことだけど、そりゃ、もちろん勝って報告ができればいいね」。3戦目の31日は2017年に亡くなった母・利子(としこ)さんの命日だった。 29日の開幕戦を白星で飾り、30日は敗れた。勝ち越しのかかる3戦目。ふと、亡き母を思い返し、「WBCの年、年を越せんって言われてたんでね。それ(WBC)を見届けてくれて。(あれから)7年かな」 母が亡くなった17年3月は侍ジャパンの監督としてWBCを戦った。惜しくも世界一は逃したが、母に勇姿を届けることはできた。それからソフトバンクに復帰し、1軍監督に就いた。1月に地元和歌山で開かれた激励会では「和歌山で生まれ育ち、18歳まで過ごしましたが、野球との出合いを与えてくれた今は亡き母に感謝したい。野球人としての基礎は全て和歌山で培い、身につけていったものだと思う」と女手一つで育ててくれた母への思いを語っていた。 「ホークスが優勝を逃している3年間で優勝していたのがオリックス。今のホークスの力がどれくらいかを試し、チャレンジできるいい相手だと思う」と開幕前日に話し、王者に挑んだ。いずれもがっぷり四つの戦いで2勝1敗と勝ち越し。ホークスの「力」を証明してみせた。1日空いて、4月2日はロッテとのホーム開幕戦(ペイペイドーム)。「まあまあ、まだ始まったばかりなので。まだまだこれから」。確かな手ごたえをつかみ、帰路に就いた。(小畑大悟)
西日本新聞社