『海に眠るダイヤモンド』第6話 King Gnuの主題歌「ねっこ」に込められたメッセージとは
花なき時代に花を咲かせ、花なき場所に花を咲かせる
いづみが社長を務める、株式会社IKEGAYA。これまで事業内容がさっぱり明かされなかったが、役員会議で多肉植物について議論していることから、どうやら植物関連の企業であることが分かってくる。 植物。緑。花。現代パートと過去パートを繋ぐキーアイテムは、おそらくこれだ。もともと端島は植物がない海の孤島だった。そこで花が大好きな朝子が、建物の屋上に植物を植えて、「緑の屋上庭園」をつくることを提案。鷹羽鉱業の幹部職員・辰雄(沢村一樹)の承認を取り付け、そのプロジェクトに取り掛かることになる。 思えば、King Gnuによる主題歌「ねっこ」には「さあ咲き誇れ ささやかな花でいい」という一節があった。『海に眠るダイヤモンド』のテーマは、およそ60年前の種が実を咲かせたラストシーンのように、「花なき時代に花を咲かせ、花なき場所に花を咲かせる」ということではないだろうか。その中心となる人物を演じているのが、杉咲<花>であることも、何らかの意味を感じてしまう。 これまで薄ぼんやりとしていた過去と現代が、ついに繋がった。野木亜紀子の脚本は、これから「花なき時代に花を咲かせ、花なき場所に花を咲かせる」物語へと収斂していくことだろう。
竹島 ルイ