能登半島地震で断水・停電続いて出荷できず…最盛期の「能登かき」産地に打撃
毎年、およそ2万人が訪れるイベントなど石川県穴水町の特産品として知られる「能登かき」。最盛期を迎える一方で今、水揚げや出荷が出来ない状況が続いていて、地元の水産業が打撃を受けています。 【写真を見る】能登半島地震で断水・停電続いて出荷できず…最盛期の「能登かき」産地に打撃 カキ業者の現状を取材するため穴水町岩車へと車を走らせると… カメラマン「ここの道は通れません、引き返します」 迂回してようやく地区に辿り着くと、集落の狭い道路には瓦などが散乱。港の岸壁は傾き亀裂が入っていました。 岩車でカキの養殖から販売までを手掛ける河端譲さん。自宅を訪ねると、庭で薪ストーブを使って食事の用意をしていました。 河端譲さん 「正月から残っていた赤飯のおにぎりを温め直しているところと、カップラーメンと支給品に使うお湯を温めているところ。電気がまだ来てないんですよ」 地震発生から10日以上経った今も、岩車地区は水道だけでなく、電気もまだ復旧していません。津波の被害はなく、河端さんの自宅やカキの作業場は無事でしたが、例年なら正月の2日から始める水揚げや出荷作業は、ライフラインが復旧しない限り再開のめどは立ちません。 河端譲さん 「販売できないうちは今電気も来てないし、水道も止まっているし。カキを揚げて来たとしても掃除する手段がないんですよね」 電気が復旧すれば井戸水を使って作業を再開することもできますが、今は電気も水道も通らず、日々の生活で手一杯だといいます。 河端譲さん 「ちょっと心配…あの揺れだから。ある程度、かき棚が揺さぶられて、落ちたんでないかなという懸念はある。せめて電気が通じてからでないと。心の準備が出来ない、行けてない」 最短でも出荷まで2年ほどかかるカキの養殖。それでも河端さんは、いつも穴水のカキを楽しみにしてくれる人や、支援してくれた人に早くカキを届けたいと願っています。 河端譲さん 「地震でけっこう周りの皆さんから心配いただいて、支援も頂いているんですけど、その人たちに恩返しする意味も兼ねて、なんとか美味しいカキを2月すぎから届けて行けたらいいかなと考えています」
北陸放送