100年続く新富士駅弁「いなりずし」と一緒に、冬は富士山を眺めよう!
【ライター望月の駅弁膝栗毛】 「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。 【写真全6枚】「駅弁マーク制定35周年」記念駅弁の1つ
冬は富士山がよく見える季節。多くの人が思い浮かべる、白雪を頂いた“イメージ通りの”富士山がくっきりと観られる日が多くあります。しかも、温暖な気候に恵まれた静岡県は、寒さもあまり厳しくなく、気持ちよく旅を楽しめます。そんな富士山がよく見える東海道新幹線の駅で、駅弁マーク制定35周年を記念して、伝統の駅弁が「復活」しています。
東海道新幹線の車窓から、雲ひとつない青空と白い雪をいただいた富士山が観られた日は、何かいいことがありそうな気分になりますね。空気が澄む冬場は、富士山を眺めるならベストシーズン。出来れば通過するだけでなく途中下車して、美しい富士山をじっくり眺めたいものです。たとえ東京は寒い日でも、熱海を過ぎて静岡に入ると、冷えた空気が一気に緩んできて、思い切って出かけてよかったと感じられるものです。
東海道新幹線で富士山がよく見える駅といえば新富士駅。よく見えるのは、東京方面の上り1番線ホームです。このホームには、新富士の駅弁を製造・販売している富陽軒の売店(営業時間9:00~13:30、水・日休み)があります。全国29社で行われている「駅弁マーク制定35周年」の記念駅弁企画、富陽軒は100年あまり前の創業時から作り続けられている「いなりずし」(460円)で参加しています。コロナ禍でしばらくお休みしていた分、久しぶりの「復活」が嬉しいですね!
【おしながき】 ・いなりずし(酢飯、昆布、お揚げ) ・ガリ
新富士のいなりずしの特長はやっぱり昆布が混ぜ込まれた酢飯です。そして富士市内の豆腐屋さんで作られたお揚げは、ザラメで味付けされていて、自然な甘みがリピートしたくなるもの。また、新富士から東京までは「こだま」で約1時間ですので、小腹が空いたときにも有難い量でもあります。さらに、このご時世でありながら500円でお釣りが来る“懐に優しい”駅弁。この機会に100年あまり続く伝統の味を、改めて味わいたいものです。