アストラムライン延伸、手続き本格化 住民説明会が終了、年末には公聴会 広島市
広島市のアストラムラインを延伸する「西風新都線」の計画で、市は今月上旬までに都市計画の変更に向けた原案の住民説明会を終えた。15日に縦覧も始め、年末には公聴会を開く。2025年度内の都市計画決定を目指しており、沿線住民や市民の意見を踏まえて計画案をまとめる。 【地図】アストラムライン 説明会は10月25日~今月4日、五月が丘小(佐伯区)と己斐上小、己斐小(以上西区)の3カ所で計5回開催。延べ約760人が参加した。市は軌道や駅などの区域を設定した原案を示した。 住民からは団地内の工事もあるため「騒音や振動はどうなるのか」「工事車両による渋滞は起きないのか」などと懸念の声があった。市側は周辺環境に配慮して迷惑をかけないよう進めると強調した。用地取得やトンネル掘削の進め方を尋ねる住民もいた。 市は15~29日、市役所と西、安佐南、佐伯の3区役所の建築課で原案を閲覧できるようにする。市民の申し出があれば12月27日に公聴会を開く。今後、環境影響評価準備書の説明会も開催する。 市は詳細設計も進める。延伸ルートと交差する己斐断層の位置を地質調査で特定し、橋脚などの設計を決める。 西風新都線は広域公園前(安佐南区)からJR西広島駅(西区)までの7・1キロ。新設の6駅を除き単線で結び、36年度ごろの全線開通を目指す。事業費は約760億円を見込む。市ホームページで整備イメージの動画を公開している。 市は建物約240軒の用地取得を27年度から始める方針。市交通施設整備部は「説明会は市民の貴重な意見を聞く場になった。重要な事業を着実に進めたい」としている。
中国新聞社