川勝前知事、県議会に別れのあいさつ 文化力向上策の“置き土産”も読み上げ
9日に退任した川勝平太前知事が17日、静岡県庁を訪ね、県議会に退任のあいさつをした。対面は非公開。感謝の言葉を述べるとともに「静岡県の魅力である文化力を上げる具体策」を「置き土産」として読み上げたという。 公表された文章によると、川勝氏は「過去15年の間に所信の一端が実現されたとすれば、県議会での万機公論で予算を通していただいたおかげ」と感謝し、「後進に志の継承を願い、期待する」とした。 文化力を高める具体策として、国際大学創設や、中央日本各県による山の洲(くに)広域圏実現などを主張。首都機能の一部として最高裁判所を誘致する案も示した。 「本県の最高の資産はふじのくにの自然」と訴え、「自然環境を大切にし、命の水を守るのは県民の代表者の使命」とも指摘した。県議会へのあいさつの後、自転車で県庁を後にした。 退任のあいさつは従来、本会議場で行われるが、川勝氏が既に退任していて、発言が知事選に影響を与えるとの意見もあったことから、議場に隣接する特別会議室を会場に非公開とした。 ■岐阜の水位低下に「有識者会議が指摘」 川勝平太前知事は17日、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている岐阜県瑞浪市で住民の共同水源などの水位が低下した問題について「国の有識者会議では、どの沢、渓流も水位が下がると言っている。その一事例が岐阜ではないか」と述べた。県議への退任あいさつのために県庁を訪れ、報道陣の取材に答えた。
静岡新聞社