何を変えようとしている?自民憲法草案(7)内閣 「文民」表現の変更
第24回参院選の争点のひとつが、憲法改正です。現行の憲法をどのように変えようと考えられているのか、中身はあまり知られていません。そこで、2012年に自民党がまとめた「日本国憲法改正草案」を基に、テーマ別に現憲法との違いを取り上げていきます。 第7回は、第5章「内閣」の変更点をみていきます。
「文民」の表現が「現役軍人以外に」変更
現行の憲法は、第65条「行政権は、内閣に属する」となっています。草案は「この憲法に特別の定めのある場合を除き」を文中に加えています。内閣総理大臣とその他すべての国務大臣について書いた66条は、現行は「文民でなければならない」と書かれていますが、草案は「現役の軍人であってはならない」としています。 「内閣総理大臣が欠けたとき」の条文では、草案に新しく「その他これに準ずる場合として法律で定めるときは、内閣総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が臨時にその職務を行う」を加えています。また、内閣総理大臣の職務は、現行72条「行政各部を指揮監督」に、草案は「その総合調整を行う」を追加。新しく「最高指揮官として、国防軍を統括する」の条文を設けています。 内閣の職務では、現行73条の「予算」作成が、「予算案及び法律案」と表現変更。現在の憲法では、法律の委任がある場合を除いて、政令に「罰則を設けることができない」が、草案は「義務を課し、又は権利を制限する規定を設けることができない」に変えられています。