【陸上・男子100メートル】坂井隆一郎、『カミソリスタート』決め大会連覇 五輪代表入りは世界ランク次第も吉報待つ
◇30日 陸上 日本選手権最終日(新潟・デンカビッグスワンスタジアム) パリ五輪代表選考会を兼ねて行われ、男子100メートルは坂井隆一郎(26)=大阪ガス=が10秒13で大会2連覇を達成した。 雨の中でベストは尽くした。坂井は「カミソリスタート」とも評される鋭い出足で、主導権を握ると、そのまま逃げ切って優勝。2009~12年に4連覇を達成し、現在は大阪ガスでコーチを務める江里口匡史さん以来の連覇に「タイムは狙っていたが、接戦の中で勝ち切れたのはよかった」とホッとした表情をみせた。今季ははけがで出遅れたが、5月に地元・大阪で開催された木南記念で優勝。今大会の準決勝を10秒11の全体トップで通過した勢いそのままに決勝も制した。 やや遅咲きのスプリンターだ。タレントぞろいだった男子短距離の中、関大4年のころから徐々に頭角を現した。社会人となり、東京五輪後の2022年、23年に2年連続で世界選手権の代表入り。日本選手権も2連覇を果たし、「もっともっと引っ張っていける存在になりたいと思ってやってきた。それがこの2年間につながった」と達成感を口にした。 パリ五輪の代表入りがかなうかどうかは7月2日発表される世界ランキング次第となる。坂井は「どうなるのかわからないが、五輪に出られると決まったら今よりもっとレベルを上げて挑みたい」。まずは吉報を待つ。 男子100メートルは大会前からランキングで圏内に位置していた東田旺洋(関彰商事)が2位に入り、初の代表入りがほぼ確実。一方、3位の柳田大輝(東洋大)の代表入りは不透明だ。確定した世界ランキングで坂井が圏内に入れば、坂井が代表に決まる。
中日スポーツ