1/2

譲渡が決まった子犬のマイクロチップの確認などが行われた

　県動物愛護指導センター（宇都宮市今宮4丁目）に収容された犬・猫を、殺処分ではなく新たな飼い主に譲渡する割合が上昇傾向にある。2023年度は収容された695頭のうち69％に当たる482頭を譲渡。10年前に比べて39ポイント増えた。今年で開所30年を迎えた同センターは「犬や猫を飼う時に保護犬、保護猫という選択肢が浸透してきている」としている。20～26日は動物愛護週間。 　同センターは動物との触れ合いを通した動物愛護事業や、犬・猫を中心とした動物の正しい飼い方の指導などを実施する拠点として1994年4月に設置。同年9月、愛護館をオープンし譲渡事業を開始した。 　同年度の犬猫の収容数は1万4030頭に上り、このうち譲渡は49頭。飼い主の元に戻った返還数109頭と合わせても1％にとどまり、多くの犬猫が殺処分されていた。 　その後、収容数は99年度に1万頭を下回り、2011年度は3千頭を切るなど、年々減少の一途をたどっている。同センターは「県民の飼い方のマナーアップが図られた」とみている。 　また殺処分を減らすため、譲渡活動は強化されてきた。12年1月に引き取った犬猫を動物愛護団体などが仲介して新しい飼い主へ譲渡する「団体譲渡事業」を始めたほか、15年には成犬の譲渡を促進する施設「ドッグルーム」を設置した。 　11年度まではゆるやかに増加しながらも譲渡の割合は10％を超えなかったが、これらの取り組みや県民の保護犬、保護猫への認知度が高まったことから上昇傾向が強まった。13年度は30％を記録し、20年度には58％と収容頭数の半数以上を譲渡につなげた。23年度までの犬猫の譲渡数は計9849頭に上っている。