これって違法? 私たちが選挙で陥りかねないネット利用の落とし穴 #みんなのギモン
■現役秘書も「理解できていない」
去年4月に行われた東京の江東区長選挙では、候補者が動画投稿サイトに自身への投票を呼びかける有料広告を出したことで罪に問われています。 自らの名前を挙げて有料のネット広告を流すのは禁止され、違反した場合2年以下の禁錮または50万円以下の罰金が科されます。これを認めると資金力のある候補が大量に広告を出すことができて公平性を保てないことが理由です。 ですが、これには例外があり、政党や政党支部が政治活動として出すネット広告で、政党の選挙運動用のホームページに直接リンクしているものであれば認められています。 候補者がその選挙区の政党支部長となっていることは多く、政党支部が出す広告に支部長として顔と名前を出すことはOKとされているのです。一般の有権者から見れば、候補者の名前を掲げたネット広告とあまり変わらないようにも思えるのですが・・・。 ある自民党議員の現役秘書も戸惑っていました。 「前回の衆議院選挙でインターネットの選挙活動を経験したけど、いまだに理解できていないよ。毎回、詳しい人に聞いてやったけど今でも理解できていないね。あれ、確かツイッターはダメだったんじゃなかったっけ?ええ?いいんだっけ?なんかSNSでもダメなやつあったよね」
■「ルール作りが追いついていない」
選挙でのネット活用のルールはなぜ複雑になっているのでしょうか。湯淺教授はこう話します。 「公職選挙法を改正した際、ホームページによる選挙活動を解禁しましたが、当時は今のSNS的なものは今ほど普及していませんでした。SNSがeメールと同じように使われることも想定していなかったため、ルール作りが追いついていないのです」 その上で、湯淺教授はあるべき対応策をこう考えています。 「公職選挙法を改正するのは時間がかかります。ネット環境は変化が早く、法律という形では時代に追いつきません。であれば政党間で協議して、選挙に関するネット活用のガイドラインを時代に合わせてもっと積極的に改正していけばいいと考えます」 若者の政治参加を促すことは日本の長年の課題です。若者の多くが日常使いするネットでも議論が活発にできるよう、選挙の際のルールもわかりやすくしてほしいものです。
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