「愚か者めが!」丸川珠代元議員、TVコメンテーター転身には大きな欠落。金子恵美氏・豊田真由子氏と比べてみたら
金子恵美氏、野党批判するが丸川氏ほど過激に転じないのが強み
まず金子恵美氏。基本的な論調は、時の政権寄りで、野党のスタンスに批判的です。“批判だけに終始する野党には政権担当能力がない”ということを、冷静に説くスタイルですね。 これが、丸川氏のように過激な攻撃性に転じないのが金子氏の強みでしょう。あからさまに刺激的なワードは選ばないのです。あくまでも理屈のうえで、攻撃したい対象を追い詰めていく。 また、金子氏には夫の宮崎謙介氏(2016年に不倫を批判され議員辞職、その後2020年にも不倫を報道)という箸休め的な存在があるのも大きい。夫の話題で笑いを取れるので、シリアスな雰囲気が中和される。この緩急があるから、金子氏は重宝されているのだと思います。
豊田真由子氏、厚生官僚の経験と知見をわかりやすく語る能力
そして、もうひとりは豊田真由子氏です。2017年に秘書に対する「このハゲー!」、「ちーがーうーだーろー!!」などの暴言がきっかけで、自民党を離党。その後の選挙で無所属で立候補したものの、あえなく落選し、コメンテーターに転身しました。 そんな豊田氏のメディアデビューは2020年3月9日放送の『バイキング』(フジテレビ系 現在は放送終了)でした。“あの豊田真由子がしゃべる、一体どんな人物なんだろう?”といった怖いもの見たさの好奇心のなか、豊田氏の語り口は予想を裏切るものでした。 当時猛威をふるっていた新型コロナウイルスの問題について、厚生官僚時代の経験と知見をもとに、一般の視聴者にもわかりやすい言葉で簡潔に語ったからです。 司会の坂上忍も驚きつつ感心し、視聴者に豊田氏の本来の能力を印象付ける結果となりました。
何もない丸川氏はTVで空回りする可能性が高い
この二人と比較すると、丸川氏には悪い意味でのイメージがしみついてしまっているのではないか。 つまり、政治家としての活動期間で、“安倍親衛隊”以上の存在だと有権者から認識されなかったということです。 金子氏のようなバランス感覚もなければ、豊田氏のような政策立案的な考え方を培ってきた形跡もない。じゃあ、いまさらビートたけしと絡んでコントめいたものを展開したところで、やはり「愚か者めが!」がこびりついて離れない。だからといって、「お助けください!」との落差を埋める得難いキャラクターがあるわけでもない。 どのような内容を話したとしても、言葉が空転する可能性が高くなるのですね。 つまり、コメンテーターの丸川氏は、視聴者から「愚か者めが!」とさえ言ってもらえなくなるのです。 <文/石黒隆之> 【石黒隆之】 音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
女子SPA!