甚大な被害を防ぐ 都内各地で進む防災対策 大規模訓練…地域の防災拠点も
先月各地で発生した大きな地震や台風10号などの被害によって、災害対策の必要性が改めて浮き彫りとなっています。災害への備えが急務となる中、都内各地で進む対策を取材しました。 9月5日、江戸川の河川敷で行われた大規模な防災訓練。訓練はマグニチュード7.3の首都直下地震が起き、今年1月に発生した能登半島地震と同じ規模の被害が出たという想定で実施されました。警察や消防、自衛隊のほか希望した区民など、あわせて約3400人が参加し、周囲を水辺に囲まれた江戸川区ならではの訓練も…。 記者:「江戸川の桟橋にボートが到着しました」 江戸川を利用した救援物資の受け渡しや、津波などで溺れた人の水難救助などの訓練が行われました。また、能登半島地震で多発した道路陥没の際の復旧手順も確認されました。 訓練に参加した区民:「また近々災害が起こるかもしれないので、必ず学んだことを生かしたいと思う」「いろいろ勉強させてもらったので、周りに広めていきたい」 地盤が弱いため地震の影響を受けやすく、「荒川」や「江戸川」「隅田川」などの氾濫といった水害リスクも想定される東京の下町エリア。建設当初から地域の特性を踏まえた防災対策が整備されてきたのが、墨田区にある「東京スカイツリー」です。 東京スカイツリーには、施設の地下に雨水貯水槽が約60個設けられていて、施設内に降る雨を最大で2635トン一時的に溜めることで、周辺の河川の増水を防ぐ役割を果たしています。また、建物内への浸水を防ぐため、商業施設の入り口などに防潮板が取り付けられているほか、非常時に墨田区役所が機能しなくなった際、区の防災の拠点となる「危機管理べース」なども設置されています。 東京スカイツリータウン広報 大野さん:「(2019年)台風19号の際には防潮板には水は到達しませんでしたが、雨水貯水層は満水になり、公共の下水道へ放出されました」 施設は今後も「甚大な豪雨災害などに対応できるよう準備を進めていく」ということです。