（左から）坂本龍一さん、ryuchellさん

　今年は、昔から映画やテレビを通してなじみ深かった有名人がこの世を去った。本稿では、今年亡くなった芸能人・ミュージシャン、クリエイターを季節ごとに振り返りたい。 【写真】「エンタメ界・2023年に亡くなった方々」写真特集＜7枚＞ 【1～3月】YMOメンバー相次ぐ訃報 　著名ミュージシャンの訃報が相次いだ1月から3月。1月には音楽ユニット・YMO（イエロー・マジック・オーケストラ）のメンバーでドラマー、グループの代表曲「ライディーン」の作曲でも知られる高橋幸宏さんが誤えん性肺炎のため亡くなった。享年70歳。さらに衝撃だったのが3月、同じYMOのメンバーで音楽家・坂本龍一さんが長年のがん治療の末、71歳で亡くなった。YMOメンバーの相次ぐ死去は、国内外のファンに衝撃を与えた。 　そのほかにも1月にはロックバンド「シーナ＆ロケッツ」で、妻のシーナさんと共に「ユー・メイ・ドリーム」などの曲で人気を集め「めんたいロック」と言われる福岡発のロックムーブメントをけん引した鮎川誠さんが、すい臓がんのため死去。74歳だった。 　続く2月には『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』などで知られる漫画家・松本零士さんが急性心不全のため死去。85歳だった。黄色いメガネがトレードマークで、テレビのバラエティ番組で長年活躍していた笑福亭笑瓶さんが亡くなったのも2月だ。急性大動脈解離のため、66歳で亡くなった。芥川賞作家の大江健三郎さん（享年88歳）、テレビ番組『料理の鉄人』（フジテレビ系）などでおなじみだった中華料理人・陳建一さん（享年67歳）の訃報は3月に届いた。 【4～6月】今も尊敬される伝説的な司会者の死に多くの人が哀悼 　動物とのふれあいをテーマに多くの文学作品を執筆し、「ムツゴロウ」の愛称でテレビ番組などでも親しまれた畑正憲さんは4月5日、心筋梗塞のため87歳で亡くなった。 　また5月、昨年9月に心不全で亡くなっていたことが報じられたのは、高見のっぽさん。NHK教育テレビの子ども向け番組『できるかな』に出演し、ひと言もしゃべらず、ジェスチャーを交えて鮮やかに工作を作り出す姿が子どもたちの人気を集めた。 　さらに同じ5月に、かつて数多くのテレビのバラエティー番組で司会などとして関西を中心に活躍した上岡龍太郎さんが、肺がんと間質性肺炎のため亡くなった。すでに2000年に芸能界を引退していた上岡さんだが、その舌鋒鋭い話芸と哲学をリスペクトするファンは今も多く、訃報には著名人からも哀悼の言葉が寄せられていた。