なぜ「ググった情報」は翌日に忘れてしまうのか…頭のいい人は知っている「結局メモするのが最強」の科学的理由
■「かわいいキャラクター」は使わないほうがいい ワーキングメモリーに無駄な負荷をかけてしまいかねないのは、字幕だけではありません。 例えば、学習動画に内容とは無関係なかわいいキャラクターなどが使われていることもありますが、これも逆効果です。 関係ないキャラクターにワーキングメモリーが使われてしまって、理解度が落ちてしまいかねないからです。 ■「リアル過ぎる映像」も逆効果 また、内容と関連していることであっても、インプットの妨げになることがあります。 例えば、カブトムシの生態を学ぶためにYouTube動画でインプットしようとしたとしましょう。 芋虫が蛹(さなぎ)になって成虫になる「変態」のプロセスが、音声で説明され、それと同時に、ものすごくリアルな8Kで撮ったカブトムシのドアップ映像が流れるとします。 そんな動画であれば、カブトムシのリアルな映像でイメージが湧きやすくなり、学習効果が上がるように感じますが、しかし実は、これも逆効果なのです。
■「図式化したシンプルな画像」のほうが学習効果が高い カブトムシのリアルな映像よりも、図式化したシンプルな画像を使うほうが、学習効果が高い、という研究結果があります(※3)。 図式化したシンプルな画像は、インプットすべき詳細に焦点を当てて、その説明に重要な点だけを抜き出しています。 一方、実際のカブトムシ自体の8K映像では、「すごくきれいで、いい色で強そうだな」など、そのリアルさに圧倒されて、ワーキングメモリーの無駄遣いにつながってしまいかねません。 つまり、インプットすべき内容と関係がないディテールが目に入ってしまい、大事なことが記憶に残らなくなってしまうのです。 内容と無関係なキャラクターや、無駄にリアルすぎる動画は、効果的なインプットを目指す上ではなるべく避けるのが賢明です。 インプットしたい内容に関する動画を選ぶときに、参考にしていただけたらと思います。 ■「スクショでメモ」や「ChatGPTで要約」には要注意 さて、もう1つ、マルチメディアを使ったインプットについて気をつけるべきことをお話ししておきましょう。メモをとる習慣についてです。 「スクリーンショット」(スクショ)や「ChatGPT」が使える今の時代、メモをとることは不要になってしまったような気もします。 オンライン動画やオンラインイベントでは、気になった重要点をスクショで「カシャ!」。 メモをとる十分な時間もないし、記録ならば写真が一番間違いない。さらに、YouTube動画やオンラインの記事などでも、ChatGPTなどの生成AIツールを使えば、一瞬で要約が出せます。それらを画像として残しておけば、内容のまとめを簡単に記録しておくことができます。 【スクショ記録】も【ChatGPT要約】も、学んだ内容を後から見直したり復習したりするのに、非常に正確で効率的な記録法であると言えるでしょう。 しかし、情報の「インプット」という目的からすると、十分な注意が必要です。