宝塚歌劇団宙組が9カ月半ぶり再開 理事長とトップスター・芹香斗亜が謝罪
宝塚歌劇団宙組が20日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した特別公演「Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-」で約9カ月半ぶりに公演を再開した。 宙組をめぐっては昨年9月に所属していた現役タカラジェンヌが急死。以降、中止が続いており、3月に上級生らによるパワーハラスメントがあったことを認めて補償する内容で遺族側と合意していた。 冒頭で歌劇団の村上浩爾理事長(57)が「宙組公演につきましては、公演の中止や演目変更等、お客さまに大変ご心配とご迷惑をおかけしましたこと、改めて深くおわび申し上げます」と謝罪。「今後も引き続き誠心誠意つとめてまいりますので、変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます」とファンに呼びかけた。 公演は従来、芝居とショーの2本立てだが、今回は準備期間を考慮してショーのみの開催で60人の宙組全員が出演し、最後は宝塚歌劇の名曲メドレーで、約1時間20分の公演を締めた。 終演後、トップスターの芹香斗亜(せりか・とあ)は「長きに亘り皆様に大変ご心配をお掛け致しましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪。「そして、たくさんのお言葉をかけていただき、また、宙組公演を待ち続けてくださいましたこと、心より御礼申し上げます」と感謝すると、カーテンコールではスタンディングオベーションが起こったという。 観劇した60年来の80代女性ファンは「拍手が異常なくらい大きかった」と会場の雰囲気を明かした。「9カ月ぶりに懐かしかった。いろいろあったけど、みなさん元気に頑張っていた」と話したが、一連の劇団の対応については「不満です。劇団員の死を軽く見てはいけない。当該の生徒には何らかの処分があるべきだと思う」と言及した。