アカデミー賞受賞の宮﨑駿監督 鈴木敏夫Pが明かす電話での会話
アメリカ映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞の授賞式が行われ、宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメ映画賞を受賞しました。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが11日会見を行い、本作を手がけた宮﨑駿監督への思いを語りました。 【画像】『君たちはどう生きるか』 アカデミー賞の長編アニメ映画賞にノミネート
宮﨑駿監督作品としては、『千と千尋の神隠し』(2003年受賞)に続く、21年ぶり2度目のオスカー獲得となった本作。鈴木プロデューサーは、宮﨑監督とは受賞発表後、電話で話したといい「“俺は(賞を)気にしていないから”と、僕がこちらへ来る前も一生懸命自分の気持ちを抑えるようにしていましたけど、“欲しがらない”って言いながら、欲しいんだなって思いました。“おめでとうございます”と伝えたら“お互いさまです”と言ってました」とやりとりを明かしました。 さらに「いつも彼に対しては“こういう作品つくってくれてありがとう”って言っちゃうんですけど、機嫌が悪くなるんです。なぜかというと“一緒にやったじゃないか”って言われる。“違う、あんたがやったんだ”って思うんだけど」と宮﨑監督への感謝の思いを明かしながら、「(宮﨑監督とは)46年なんです。いろんな人に怖い人とか言われているんですけど、僕にとっては一番一緒にいて楽しい人。年月がなせる技です」と話しました。 そして、報道陣から「宮﨑監督からの正式なコメントはないのか?」と質問されると、鈴木さんは『風立ちぬ』(2013年)の公開後に行った会見での宮﨑監督の発言について触れ「“(映画を)二度とつくらない”って大記者会見やったじゃないですか。すごく本人は反省しているんです。今回つくるときに“もう一度世間へ出てくることが、本当にみっともないと分かっているんだけどもう1本つくりたい”と。それと同時に“世間には出ません”って言っていた。一生懸命みなさんの前でご説明しても結果としてウソになるわけでしょ? その愚行を繰り返したくない。本人としてはその気持ちだと思います」と明かしました。