コーヒーに代わる人気のカフェイン飲料6種、キノココーヒーからガラナまで、健康への効果は?
マテ茶
南米に自生するイェルバ・マテというモチノキ属の植物の葉から作られるマテ茶は、(産地や抽出法にもよるが)コーヒーとほぼ同量のカフェインと、多くの抗酸化物質を含むスーパー飲料だ。ボアキエ氏によると、マテ茶には、従来のカフェイン飲料にはあまり含まれていない種類のポリフェノール、ビタミン、ミネラルも豊富に含まれているという。 マテ茶には覚醒作用のほかにも、抗菌作用、減量のサポート、2型糖尿病患者の血糖値の低下、コレステロールの減少、慢性炎症の緩和などの効果が研究で示されている。
ヤポンティー
ヤポンティーは、米国原産では唯一のカフェインを含む植物であるヤポンノキ(モチノキ属)の葉から抽出されるお茶で、穏やかに活力を高める効果がある。 ヤポンノキの葉に含まれるカフェインの量は0.1~2%で、コーヒー豆の1~3%よりも少ないが、その魅力はカフェインだけではないと、『150 Food Science Questions Answered(食品科学の150の疑問に答える)』の著者である食品科学者のブライアン・クォック・レ氏は言う。 ヤポンティーはテオブロミンをはじめとするキサンチン類を豊富に含んでいて、気分を改善させ、注意力を高める効果がある。
コンブチャ(紅茶キノコ)
近年では「コンブチャ」と呼ばれる紅茶キノコは発酵茶で、腸の健康に良いとされ、穏やかな刺激作用がある。 レ氏によると、コンブチャにはカフェインをはじめとするお茶の生理活性物質もいくらか含まれているが、真の主役はプロバイオティクス(腸内細菌を育む有益な微生物)だという。健康な腸内細菌叢(そう)は、注意力、記憶力、学習能力といった認知機能の向上と関連している。 さらに、紅茶キノコにはビタミンB群が豊富に含まれており、体が栄養素を代謝して細胞の燃料にするのを助けるとボアキエ氏は言う。
ガラナ
ガラナの種に含まれるカフェインの量は2~8%で、コーヒー豆をはるかに上回る。ガラナにはテオフィリンやテオブロミンといったカフェイン以外の刺激成分も豊富に含まれており、ギャビン氏によると、これらは認知能力を高め、疲労を軽くし、注意力を高めるという。抗酸化作用や抗炎症作用もある。 ガラナはエナジードリンクに50~70ミリグラム配合されていることが多いが、粉末の形でスムージーなどの飲料に加えることもできる。ボアキエ氏は、カフェインの過剰摂取による不調や神経過敏を避けるため、ガラナを取りすぎてはいけないと警告する。 「あなたがこれから机に向かって事務作業をするのであれば、ガラナを摂取するのはお勧めしません」とボアキエ氏は言う。「強度の高い運動や訓練をするのであれば、強壮作用のあるガラナは有用かもしれません」
文=Jocelyn Solis-Moreira/訳=三枝小夜子