【ボートレースコラム】今、狙える選手に訊く~深尾巴恵インタビュー~
昨年に成績急上昇
特にここを改善したということはないので、なんでなんだろうというのが正直な気持ちです。少し前に(4期通算の)勝負駆けをクリアした後、自分の考えでやってみようと思ってやっていたら、またすごく成績が下がってしまったんですよ(苦笑)。でも、分からないなりにいろいろやろう、とにかくペラだけは絶対に叩く、とやっていたらだんだん自分はこういう形だと乗れないっていうのが分かるようになってきました。それだけですかね。自分の形があるというよりは、絶対にしたくない形が分かってきたという感じです。 なぜやるようになったか?やっぱり稼いでる人ほどサボらないんですよ。で、私は、分からないからいいやこのままで行こう、みたいなところがあったんです。けどそれじゃダメだって…。 まだ何かをつかんだということもないんですが、それでも成績が上がったのは、最悪だったイン戦が小マシになったこと、差せないままなんですけど握っていたらなんか運が良かった…、という感じですかね。 一番変わったことは歯の矯正を始めたことと、整体に通うようになったことじゃないかと思っているんですけどね(笑)。ゲージも変えてないし…。ただ、予選を突破しようってことは考えるようになったかもしれません。それを意識することで、準優に乗る回数が増えてきたのはあると思います。以前はそもそも頑張り方がよく分からなかったけど、こうしちゃダメっていうのが少しずつ分かってきたのかなぁって感じです。
昨年11月に初優勝
エンジンは前の2人が女子選手だったんですけれど、前々走者の時に転覆して壊れてしまい、前走者はいいけど走るとそうでもないって感じだったと聞きました。初日の段階でもまだ乗りづらかったんですが、ペラを叩いていたら良くなっていきました。女子戦だと、あそこまで出るってことはないんですけど、混合戦だったのが良かったんですかね。出ているという感じになりました。普段から私も乗っているだけで出ているというタイプなんですが、女子戦だともっと出る人がいるから目立たないんですよね。 2日目はメッチャ良くなって、3日目は向い風が吹いていて、6号艇でフライングだけはしたくないって思っていたら遅れてしまい…。ただ足的には上り調子で良くなっている実感はありました。 準優が1号艇だったのはイヤでしたねぇ(苦笑)。できれば3号艇ぐらいが良かったんですけど…。ただレースになるとエンジンの力があったので、なんだか余裕がありました。エンジンの力で勝てたと思います。 ずっと優出したかったんですよ。予選を突破しようと考えるようになったと言ったのは、予選を突破していればいつか奇跡的に優出することもできるんじゃないかと思ったからなんです。だから優出で満足してしまったところはありました。支部の先輩には優勝戦の日にレースまで「待っていようか?」って言われたんですけど、「たぶん優勝は無理なんで先に帰って下さい」って言っちゃったんですよね。それぐらい優勝できるとは思っていなかったです。2号艇って苦手なんで、私の中では7号艇くらいのイメージなんですよ(苦笑)。 上手い人はカジキみたいな差しができるんですけど、私はイルカみたいな差しなんです、差せたとしても…。どういうことかって、鋭さがないってことです(苦笑)。レース前は「私はカジキ」って自分に言い聞かせていました(笑)。 スタートは放ったので伸びてはいきませんでしたがちょっと前にいて…。前にいると握っちゃうんですよね。気づいたら握っていて、バレバレですよねって感じでした。普通はぶっ飛ばされると思うんですけど、エンジンが良かったからまだ前の争いにいて…。2等ですよ、すごい!って気持ちになりつつ、「2等で満足しますか?」と自分と相談したら、もうひとりの深尾が「ダメでしょ。ぶっちぎるか転覆でしょ!」って(苦笑)。 確かにって思って、分かりましたとウワーって外を回ったら、前に出ていました。先頭に立ってからはFはしていないよなって再確認して、あとは3周絶対に回ろうと…。ゴールの瞬間はいいんですか?って感じでした。 たくさんの人におめでとうって言ってもらったのはうれしかったですね。初優出初優勝は出来すぎですけど、優勝するならこれしかなかったかもって気もします。優勝して気持ちは変わった?次の下関にその気持ちで行ったら転けて…(苦笑)。エンジンが良かっただけで私が変わったわけじゃないんだなって思いましたし、また精進しようと思いました。