伝統文化や食の魅力発信 青年会議所が16年ぶり飯田でブロック大会【長野県飯田市】
日本青年会議所(JC)北陸信越地区長野ブロック協議会は8日、第55回長野ブロック大会を飯田市丸山町のかざこし子どもの森公園で開いた。飯田JCが主管し、飯田での大会開催は16年ぶり。地域に根付く伝統文化や食文化の魅力発信をテーマに多彩なイベントを催し、1000人以上が訪れてにぎわった。 飯田市の「和太鼓 心Shin 常盤太鼓」による勇壮な和太鼓で開幕。午前はメインステージで伝統文化をテーマにフォーラムを開き、同市上郷黒田で300年以上続く「黒田人形」を取り上げた。 黒田人形保存会の清水謙一さんが講演し、約30種の型があるのが特徴で「古い型がこれほど多く伝承されているのは珍しい」と説明した。高陵中学校黒田人形劇部は「傾城阿波の鳴門」を上演。人形遣いをはじめ、太夫や三味線も生徒が担当し、母の娘への愛情と葛藤を表現した。 地域の食文化の発信として飯田JCは「飯田焼肉」の試食ブースを設け、サガリ、カシラ、黒モツを無料で提供。会員が鉄板で焼いて振る舞い、開始から行列ができていた。 NPO法人いいだ人形劇センター、飯田女子高校の生徒が人形劇のワークショップを開き、飯田水引の体験ブースもあった。飲食ブースでは県内の食材を使ったキッチンカーが集結。天龍村産のお茶が振る舞われ、下伊那農業高校の生徒が育てた野菜を販売した。インバウンドをテーマにしたパネルディスカッションもあった。 県内には17の青年会議所があり、約600人が所属する。飯田JCの村松将太理事長(40)は「今年の大きな事業を天気の良い中で開催でき、南信州の魅力を伝えられた」と語り、長野ブロック協議会の土屋壮亮会長(39)は「県内で最も南に位置し、伝統文化が脈々と受け継がれる地域から信州を発信できた。子どもたちに信州に住む誇りを育めたら」と話していた。