15歳至宝、久保建英は超飛び級でハリルJ入りできるのか
FC東京U―18のFW久保建英(15)が25日、長野市内で開催されていたJリーグのインターナショナルユースカップ、対広島ユースとの3位決定戦にスタメン出場して1得点1アシストをマーク、これで4試合すべてに得点、通算6得点を挙げて、大会の得点王に輝いた。スペインの名門FCバルセロナもその才能に注目した、15歳のストライカーに注がれる視線が、2017シーズンは、ますます熱気を帯びてきそうだ。 きっかけは全カテゴリーの日本代表監督が一堂に会して、22日に都内で行われた「日本代表 年間スケジュール2017 記者発表」。U‐20代表を率いる内山篤監督が、久保にこう言及したことにある。 「いつかは年齢というものを超えて、サッカーをしていかないといけない。そのチャンスがあれば、彼が15歳であろうが、16歳であろうが、18歳であろうが、監督が必要とするならいつでもフル代表へいける準備というものは、ある意味で日本全体として考えていかないといけない」 年齢的には、来年10月にインドで開催されるW杯に臨むU‐17代表が久保の主戦場となる。それを承知のうえで、内山監督は今月上旬のアルゼンチン遠征で久保を“飛び級”で初招集した。 もっとも、来年5月に韓国で開催されるW杯の出場権を勝ち取った10月のアジア選手権を終えた時点では、内山監督は久保を含めた下の世代の抜擢に慎重だった。 「力があれば当然ですけど、そのためには彼らがいいイメージで入って来られるかどうか、という状況まで見極めないといけない。十分にやっていける、という段階で呼ばなければ、成長という意味では逆にストップさせてしまうので」 直後の11月5日に、久保がFC東京U‐23の一員としてJ3でデビュー。15歳5ヶ月1日のJリーグ最年少出場記録を更新し、その後もJ3の舞台で2度、年齢が大きく離れている相手と対峙したことを受けて、融合させるにはいまが絶好のタイミングだと判断したのだろう。 先の遠征ではU‐19アルゼンチン代表との国際親善試合で、2試合ともに後半途中から久保を起用。内山監督は「フィジカル的に強いアルゼンチンのアタックのなかでも、攻撃面でいい部分を多く出していた」と久保に高い評価を与えたうえで、こう称賛している。 「何よりも4つ上の19歳の選手たちが、練習の段階からリスペクトして、彼の力をしっかりと認めていた雰囲気があった」 短い期間に久保の可能性に魅せられ、杞憂は底知れぬ期待へと変わったのだろう。U‐20W杯へ“飛び級”で招集することを示唆しただけでなく、前例のないフル代表への大抜擢にも言及した前出のコメントにつながったわけだ。 ならば、ごく近い将来、たとえばW杯ロシア大会が開催される2年後に日本が出場を決めているとして、久保がメンバー入りする可能性はあるのだろうか。記者会見に出席したヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「まだ15歳。あまり話さないほうがいい」と断りを入れながら、久保に初めて言及している。 「能力があるのはわかっている。日本の宝にしないといけないが、一気にとはいかない。技術、戦術、メンタル、フィジカルのすべてを伸ばさないといけない」