「進化する」大谷翔平新通訳 アイアトンの訳し方
ワールドシリーズ優勝後の会見からわかること
ワールドシリーズでの優勝後、大谷選手の記者会見があった。筆者はいくつか大谷選手のインタビューを見る中で、アイアトン氏が「直訳スタイル」というベースは崩さずに、英語でも聞きやすいように、英語の行間に沿って「主張と本論」の順番を入れ替えて通訳を行っていることに気が付いた。詳しく見ていこう。 その1:英語の行間でも自然な流れになるようにコメント内容の順番を整える まずは一つ目だが、ムーキー・ベッツ選手やフレディー・フリーマン選手のような非常に優秀な選手と共にワールドシリーズに勝利したことについて、の感想を求められた際のやり取りだ。 大谷選手はムーキー・ベッツ選手やフレディー・フリーマン選手のみならず、チームメート全体を評価するコメントを返答し、彼らから学ぶものが多かったことを述べた。 しかしアイアトン氏は、まず最初にムーキー・ベッツ選手やフレディー・フリーマン選手についてのコメントを訳したのである。 今年3月、水原一平氏の職を引き継いだ直後のアイアトン氏は、このようにコメント内容や順番を入れ替えるようなスタイルではなかった。そしてそれが、彼の丁寧な「直訳スタイル」を印象づけていた。 しかし、大谷選手の通訳をワンシーズン経験した中で、英語の行間でも自然な流れになるようにコメント内容の順番を整える方式に、通訳のスタイルを変化させていたのだ。 今までもあの素晴らしい選手の皆さんと野球やらせてもらって、あの本当に自分の野球観というか、自分の野球の技術も、上げてくれるような、そういう素晴らしい選手たちをやらせてもらって。まあフレディとムーキーはもちろんそうですけど、まあ本当に一番から九番までオフェンス面で言えば、本当に自分の仕事をプロフェッショナルにこなしていく。そういう選手たちが集まっていたなとは今考えてもそう思います。 ↓ 英語の主張の位置(先頭)へ順番を入れ替えた。 I really think the professionalism of the two players really stands out, and aside from the two players, I do feel like we had a really good line up with a lot of good hitters one through nine and it really allowed me to elevate my game as well, not just technically, but also my professionalism. 参考動画:https://youtu.be/2wWQi89ZXBg?si=oHqeY7EpE8e84JxG