長崎県は１０日、「日本脳炎注意報」を発表した。日本脳炎ウイルスの増幅動物である豚を対象に採血調査した結果、１０頭すべてからウイルスに最近感染したことを示す抗体を検出した。昨年に続いての注意報で、幼児や高齢者は特に注意が必要としている。 　県地域保健推進課によると、日本脳炎ウイルスは豚の体内で増え、血を吸った蚊が人を刺すことで感染する。人から人への感染はない。感染者の発病率は１００～千人に１人。高熱や頭痛、嘔吐（おうと）などに続き、光への過敏症や意識障害、けいれんなどの症状が出る。 　脳炎を発症した場合の致死率は２０～４０％で、幼児や高齢者では危険が高くなるという。県内での患者発生は過去５年で１件。２０２１年に発生届があった。 　県による豚の採血調査は毎年６～９月、計８回実施。毎回、豚１０頭ずつを採血しているが、今年は９月４日に採血した７回目の調査で初めて抗体を検出した。 　予防法はワクチン接種が最も効果的。県は「肌寒くなってきたが、まだ蚊の活動時期にある」として、刺されない対策も呼びかけている。