じつは「イラン危機」は「米国株の買い場」だと言える「納得のワケ」
現在の経済環境下での賢明な投資戦略:リスクと機会の見極め
直近の米国経済データは、消費の強さを示していますが、これが金利動向にどのような影響を与えるかは投資家にとって重要な考察ポイントです。 3月の小売売上高は前月比で0.7%と予想の0.4%を上回り、小売売上の増加は経済の底堅さを示しており、これが米国の長期金利の上昇と株式市場への逆風に繋がっています。 【金利上昇の意味と投資の機会】 予想以上の消費の堅調さは、インフレ圧力がまだ存在することを示唆しており、これにより金利が上昇し、特に成長株に影響を与えています。米国10年債利回りは4.64%に急騰し、これが株価に逆風となっています。 この金利上昇は、利下げの期待を後退させ、投資家にとっては成長株や高値のテクノロジーセクターが押し下げられる要因となっています。 その一方、企業業績の拡大が見込まれるセクターには明るい見通しが存在します。 特にS&P500の企業は今年後半にかけてのEPS成長が加速すると予測されており、これは株価にポジティブな影響を与える可能性が高いでしょう。実際、2024年第1四半期のS&P500のEPS成長率は予想で+2.6%、第2四半期は+9.3%、第3四半期は+8.0%、第4四半期には+17.9%に加速する見込みです。 【短期的な市場の対応】 米国株は短期的に株価が調整局面に入る可能性がありますが、これは買い時を見極める好機の確率が高いでしょう。特に市場の過反応で割安になった銘柄を中心に選定することが重要です。 実際、S&P500の現在の予想PERは20.6倍で、過去10年平均の17.8倍を上回っており、業績成長が見込まれる企業には依然として魅力が残ります。
おわりに
現在の経済情勢を踏まえた投資戦略としては、インフレや金利の上昇、地政学的なリスクを見極めることが重要です。 いずれにせよ米国株は今後も長期的に力強く、ポートフォリオに組み入れることで米国経済の成長を最大限享受しながら資産の拡大を狙う戦略が有効となるでしょう。 これが結果的に円安とインフレ対策にもつながると筆者は考えます。
鈴木 林太郎(米国株ライター)