「あるいは、ユートピア」初日舞台挨拶の様子。左から愛鈴、杉田雷麟、藤原季節、大場みなみ、金允洙

映画「あるいは、ユートピア」の初日舞台挨拶が11月16日に東京・ユーロスペースで開催され、キャストの藤原季節、大場みなみ、杉田雷麟、愛鈴、監督の金允洙（キム・ユンス）が登壇した。 【画像いっぱい】藤原季節ら登壇、「あるいは、ユートピア」舞台挨拶の写真はこちらから 同作は、大量発生した謎の巨大生物によって終末に向かう世界と、ホテルから出られなくなった12人の人物を描く群像劇。「非暴力、不干渉、相互扶助」の三原則のもと平和に暮らしていたある日、1人が遺体となって発見される。藤原が秘密を抱えた小説家・牧雄一郎を演じた。 金は「日曜日、凪」で2021年に第34回東京国際映画祭 Amazon Prime Videoテイクワン賞に輝いた。オリジナル脚本による長編監督デビュー作「あるいは、ユートピア」は、受賞の取り組みの一環でAmazon MGM Studios製作映画として作られ、第37回東京国際映画祭のNippon Cinema Now部門に出品された。 主演の藤原は「撮影前に、登場人物それぞれに対して小説風の前日譚が金監督から渡され、それが役作りに大きく影響した」「人との距離感が独特で、演出するときは1人ひとりの側に近付き、その人にしか聞こえないように演出を伝える」と金のユニークな手法を振り返る。自殺サークルメンバーの1人・宮田朝日役の愛鈴は、重要なダンスシーンがあったそうで「撮影にあたってかなり緊張があり、撮影期間中は毎朝ダンスの練習をして役をつかもうとしていた」と役作りに言及した。 女優のマネージャー・瀬戸一花役を演じた大場は、共演者の渡辺真起子のそばにいることが多く、役と現実がシームレスになるほど入り込んだ状態での撮影になったと回想する。逃げ遅れた自衛隊員・山本宗介役の杉田は「12人の個性的な登場人物がいるので、劇中の登場人物と同じ感覚になりながら、自分と重なる人を見つけながら鑑賞して」と観客に呼びかけた。 最後に藤原は「金監督の長編デビュー作の一員になれたことが光栄。キャストにもスタッフにも恵まれて、幸福な映画体験になった作品。観客の皆様にも能動的に映画を楽しんでもらいたい」と思い入れたっぷりに語った。 「あるいは、ユートピア」は11月29日までユーロスペースで上映中。 ※「あるいは、ユートピア」はR15+指定作品 (c)2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.