深田恭子の写真集が大好評 これからはターゲット別同時リリースが主流?
“スター”システムの崩壊で芸能人に求められるターゲットを絞った戦略
そのうえで、出版社サイドだけでなく、コンテンツの元となる芸能人サイドの利点についても言及する。 「芸能人と世間をつなぐツールがテレビや新聞、雑誌など限られた“窓口”しかなく、ファンタジー性を帯びた、ある意味で浮世離れした“憧れのスター”が存在しがたくなった現代。芸能人は“憧れ”という魅力だけでなく、“親近感”も人気の重要なバロメーターになっています。そうした中、多くの芸能人がブログやインスタグラム、ツイッターなどのSNSを駆使してファンとの交流を図っているわけですが、それと同時に、それぞれのファン層に応じたさまざまな要求に応える必要性に迫られています。例えば、アーティストで言えば、テレビ番組などマクロな媒体を通しているときと、コンサートや会員制ブログなどコアなファンの前とでは、見せ方やキャラクターを変えている人もいる。最近では、そういった流れがさらに細分化され、コンサート一つをとっても性別や年齢層で観客を絞り、そのターゲット層に応じたパフォーマンスをする“限定ライブ”が流行っています」 さらに、こう続ける。 「深田さんクラスの人気女優になると、男性ファンも女性ファンも当然多い。男性に向けての大胆なセクシーさだったり、女性に向けての美容的コンセプトだったり、それぞれのファンに対してアピールしたい部分も異なるでしょう。まして、ソロ写真集という自分の魅力や世界観を表現しやすく、それでいてコアなファンをターゲットにしている“場“であれば、なおさらすみ分けをするメリットは大きい。そういう意味では今回の男性ファン向け、女性ファン向けの2冊同時リリースは、時代に即した戦略なのではないでしょうか」(三杉氏) 2冊の写真集とも売れ行きは好調のようだが、今回の深田の試みそしてその成功は今後も芸能界に大きな影響をもたらしそうだ。 (文責・JAPAN芸能カルチャー研究所)