『カラーパープル』ブリッツ・バザウーレ監督、オリジナル版への敬意やこだわりを語る
2月9日に公開される映画『カラーパープル』より、ブリッツ・バザウーレ監督のコメントとメイキング写真が公開された。 【写真】セリー役のファンテイジア・バリーノと話すバザウーレ監督 本作は、『シンドラーのリスト』『フェイブルマンズ』などのスティーヴン・スピルバーグ監督が、ピュリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーによる同名小説を基に1985年に制作した同名作をミュージカル映画としてリメイクしたもの。父に虐待され10代にして望まぬ結婚をさせられた主人公セリーが、最愛の妹と生き別れ、不遇な日々を送る中でも不屈の精神で人生を変えていく物語が描かれる。 スピルバーグをはじめ、オリジナル版で映画初出演にしてアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたオプラ・ウィンフリー、マイケル・ジャクソンなどをプロデュースし、オリジナル版でアカデミー賞作曲賞と歌曲賞にノミネートされたクインシー・ジョーンズが製作総指揮を担当。『コジョーの埋葬』のバザウーレが監督を務めた。 ミュージシャンとして世界ツアーの経験もあるバザウーレは、グラミー賞最優秀ミュージック・フィルム部門にノミネートされたビヨンセのビジュアル・アルバム『ブラック・イズ・キング』で共同監督に抜擢。“伝説の名作”を知らない世代にも楽しんでもらえる作品として新たに生み出す大役を担ったバザウーレは、「スティーヴン・スピルバーグの『カラーパープル』はブラックカルチャーの礎の一つになりました。あの作品の台詞が今もなお引用されたり、カルチャーの規範の一部になったりしていることが、どれほど重要な作品だったかを示していると思います」とコメント。続けて、「どうやったらこれまでのバージョンの焼き直しにせず、この作品独自の声を与えられるかを考えました」と、映画に新たな命を吹きこむ独自の“声”を求めていたことを明かした。 そして、「私や脚本家のマーカス・ガードリー、そして大勢のキャストとスタッフにはスピリチュアリティと信仰があり、また、それぞれが関わっているブラックカルチャー、民族カルチャー、ブラックミュージックは広範にわたります。この重要な要素を注ぎ込み、作品の中で称えています」とし、新たな『カラーパープル』は、「ミュージカル映画にしたことにより、セリーの内面世界に“視覚的にも”独自の声を与え、マジックリアリズム感も加わって、セリーが進化していく過程により深く入れます」と、主人公への共感度がオリジナル版、ブロードウェイ版とも異なる新たな魅力を放つ『カラーパープル』として完成したと語っている。 オリジナル版でソフィア役を演じ、今作ではスピルバーグらとともに製作を担ったウィンフリーは、「ブリッツは類まれな監督です。彼はこの映画に対する格別なビジョンを持っていました。この映画が花開くための最適な環境を彼が作ってくれる、と私たちは確信していました」と信頼のコメントを寄せた。ウィンフリーは、複数の監督からプレゼンテーションを受けている段階で、バザウーレとのZoomミーティングの最中に「彼で決まり」と製作陣にメッセージを送るほど彼のビジョンに感銘を受けたという。 オリジナル版でアカデミー賞作曲賞、歌曲賞にノミネートされ、今作にも製作として携わるジョーンズも、「ブリッツは驚くほど才能豊かな若手フィルムメーカーであり、ミュージシャンです。彼が彼であるがゆえに、そしてその生い立ちゆえに、もともとこのストーリーと彼は繋がっています。彼は『カラーパープル』が映像、音楽、そして文脈的にどんなものなのかを正確に理解しているのです」と指摘している。バザウーレ監督は、「私たちがスクリーン上に描き出した希望、信仰の喜びを共有し、途轍もなく素晴らしいパフォーマンスを堪能していただきたい」と語っている。 公開されたメイキングカットでは、セリー役のファンテイジア・バリーノと話すバザウーレ監督や、撮影現場でのバザウーレ監督の姿が捉えられている。
リアルサウンド編集部