遊佐パプリカの調味料 規格外品活用し、塩やペーストに
遊佐町の特産・パプリカの規格外品を有効活用しようと、食品製造販売の「野菜みらい計画」(鶴岡市、三浦真紀子代表)は調味料の開発に取り組んでいる。これまで販売していたペーストに加え、先月新たに塩を発売。三浦代表(64)は「パプリカは県内の特産品としてあまり知られていない。もっと気軽に食べてほしい」と話している。 パプリカは栄養価が高く、免疫力を高める食材とされる。同町は全国でも有数の産地で、2003年から本格的な栽培が始まった。国内の他の産地では水耕栽培が主流だが、町内ではハウスでの土耕栽培が盛んに行われている。 三浦代表は「特産品として知名度が低く、料理への活用法も分からないという声が多い」と指摘する。ヨーロッパの国々で生活した経験から、現地の家庭料理として親しまれるパプリカペーストに着目した。 パプリカやニンジン、トマトなどを混ぜ合わせたペーストを2021年に商品化。新たな加工品を通してパプリカが食卓に上がる機会を増やし、より身近な野菜として親しんでほしいという思いがあったという。パスタやハンバーグの他、パエリアに加えると簡単に奥深い味に仕上がる。
一方、ペーストの製造過程で廃棄していたパプリカの皮と種も活用しようと、昨年から「さかたの塩」(酒田市)と共同で「パプリカソルト」の開発に着手した。赤と黄色の2種類で、皿に添えて食卓が華やかになるよう自然な色を出すことにこだわった。パプリカのほのかな風味と柔らかい塩味が特長でどんな料理にも合い、特に魚介類の天ぷらに付けて味わうのがお薦めだという。 首都圏の和食店などで料理に活用される予定で、庄内地域でも飲食店にPRしていきたいという。インターネットを中心に一般販売も行う。三浦代表は「特産品の新たな活用法を提案し、地元の食材の魅力を次世代につないでいきたい」と意気込んでいる。