高校中退してメジャー挑戦…23歳の日本人が伊良部秀輝と対決“マック鈴木の伝説”「マイナーの用具係を経て…」伊良部が試合後に残した言葉
1999年5月7日、ヤンキースタジアム。メジャーで初めて日本人投手が先発で投げ合った日――。当時、現地で取材した記者が綴る「伊良部秀輝vs.マック鈴木」伝説的試合の舞台裏。〈全2回の2回目〉 【記事の写真】18歳の貫禄じゃない…“リーゼント×制服姿”の伊良部秀輝。超レアな松井秀喜20歳との対戦…結果は?「ガムを膨らませる苦悩の姿」「マック鈴木のメジャー時代」と合わせて一気に見る ◆◆◆
互角の投げ合い…マックが悔やむ「ジーターへの1球」
1回表、まずマウンドに上がったのはヤンキース・伊良部秀輝だった。1番ブライアン・ハンターにいきなり中前打を打たれたが、後続2人を凡打に抑え、ハンターに盗塁を許した後に4番エドガー・マルチネスを見逃し三振に退け、上々の立ち上がりだった。 一方のマリナーズ・マック鈴木は1回裏、先頭打者を凡打させた後に2番デレク・ジーターに一、二塁間を抜く右前打を許し3番ポール・オニールには四球を与えたが後続のバーニー・ウィリアムズ、ティノ・マルティネスを連続空振り三振に切ってとり、こちらも負けていなかった。 2回は伊良部が3者凡退、マックは1安打を許したが残りを凡打に抑え危なげない投球。3回は伊良部が再び3者凡退で1回の2人目の打者から9者連続凡退の快投。マックも先頭に四球を与えるも後続を抑え、好投が続いた。4回は伊良部が4番マルティネスに今度は二塁打を許し暴投もあって2死三塁に陥ったが無失点に抑え、マックはこの試合で初めて3者凡退でイニングを終えた。 試合が動いたのは5回だった。伊良部はこの回も下位打線を3者凡退と簡単に抑えたが、マックは2死一、二塁でジーターに3ラン本塁打を被弾。「フォークが高めにいってしまった」と登板後にその1球を悔やんだ。 6回は伊良部が安打と内野のエラーによる無死一、二塁のピンチを無失点でしのいだが、マックはその裏、先頭から四球と二塁打で1点を追加され、1死二塁から2者連続四球と突然の乱調で満塁としたところで交代。継投した投手が打たれ、出した走者をすべてかえされた。 マックは5回1/3を5安打7失点(自責点4)、5四球3奪三振で黒星。伊良部は7回にラス・デービスにソロ本塁打を浴びたものの7回を投げきり4安打1失点、無四球5奪三振でシーズン初白星を挙げ、ヤンキースは 10-1で圧勝した。
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