〈七尾市長選〉選挙より災害対策 足場固めへ催しはしごも 市役所で「ニアミス」
10月20日告示、27日投開票の七尾市長選は21日で告示まで1カ月を切り、再選を目指す現職茶谷義隆市長(59)と新人の木戸奈諸美市議(50)=出馬表明順=が大雨対応に奔走した。支持拡大や足場固めへの動きを加速させようとした矢先、再び災害が能登を襲い、市長、市議の立場で対策に臨んだ。 茶谷氏は午前、中島町の神社で営まれた「お熊甲(くまかぶと)祭(まつり)」の神事に出席。足が不自由な住民にいすを差し出す「心配り」も見せ、参列者と笑顔で会話を交わした。 支援を受ける近藤和也衆院議員や和田内幸三県議が同席し、木戸氏の後ろ盾である西田昭二総務政務官や清水真一路県議の姿も。会話を交わす様子はなく、ピリピリした雰囲気が漂った。茶谷氏は恵寿総合病院の90周年イベントに参加し、選対本部顧問の神野正博理事長の案内を受けた。 木戸氏は支援者のあいさつ回りを進めた。市内の料理店で開かれた女性団体「石川エネの会のと」の総会に顔を出し、出席できなかったお熊甲祭神事の関係者の元にも足を運んだ。 19日に出馬を表明したばかりで、リーフレット作成や事務所の場所選定を急いでいる。知名度向上が課題となる新人だけに、陣営関係者も「顔を売り込まないと何も始まらない」としている。 両陣営が浸透を図ろうとする中、雨脚が強くなり、2氏が防災対策を担う市防災交通課で「ニアミス」する一幕もあった。 茶谷氏は市職員に早期の避難所設置を指示。午後2時50分ごろ、市役所5階にある防災交通課で職員から被害状況などの報告を受け、「災害対策が最優先。震災経験を生かして早めに手を打つ」と話した。 一方、木戸氏は午後3時ごろに同課を訪れ、市の対応を確認した。防災士として避難所運営に協力した経験があり、地元の矢田郷コミュニティセンターで開設に協力し「災害から市民を守ることが第一。できることをする」と語った。