SDV:ソフト定義自動車の開発を加速、NXPがTTTech Autoを買収へ
世界的な車載用プロセッサとネットワーク製品メーカーのNXP Semiconductorsは、オーストリアのソフトウェア企業TTTech Autoを6億2500万ドルで買収する最終合意に達したと発表した。 この買収により、NXPはソフトウェア定義自動車(SDV)に必要とされるシステム、セーフティ、セキュリティを専門とする大手ソフトウェア・ソリューション・プロバイダーを傘下に収め、オートモーティブ事業を強化する。 TTTech AutoがNXPのCoreRideプラットフォームを補完することで、自動車メーカーは複雑さの軽減、システム性能の最大化、市場投入期間の短縮を実現できるようになる。この買収は、NXPが車載および産業用IoTにおけるインテリジェント・エッジ・システムのリーダーになるという戦略の重要なマイルストーンとなる。 オーストリアのウィーンを拠点とするTTTech Autoは、SDV向けのセーフティ・クリティカルなシステムやミドルウェア開発をリードする企業だ。多くの大手自動車メーカーとのビジネスを確立しており、自動車メーカーが新しい運転体験の開発・提案に集中できるよう、パフォーマンス、安全性、統合性、ソフトウェア・アップデートの最適化に貢献するソリューションを提供している。 TTTech Autoの経営陣、知的財産、資産、約1100人のエンジニアは、規制当局の承認を取得した後、NXPのオートモーティブ・チームに加わる予定だ。TTTech AutoはNXPとして、既存の顧客にサービスを提供し続け、その存在感を拡大していくことになる。 この買収により、NXPはSDV開発の加速と自動車産業の変革を推進する強力な体制を整えることになる。
レスポンス 森脇稔