遠藤航がELフル出場で見せた確固たる地位 ひと皮むけてリバプールの大勝に貢献
【堂安は対戦相手から「ほしい」と思われるプレーを】 縦勝負に行くには絶好のシチュエーションだった。前方に大きなスペースがあるにもかかわらず、堂安は格闘技で言う半身(はんみ)の体勢で制止。じっと内の様子をうかがった。自軍の攻撃の流れ、勢いを結果的に止める結果になった。172センチの小兵は、スケールの小さなアタッカーと化してしまった。 ウェストハムの右ウイング、モハメド・クドゥス(ガーナ代表)と比較すると一目瞭然だった。来季プレーしたいのはブンデスリーガ9位のチームではなく、プレミアリーグ7位(ウェストハム)のチームだ。ライバルは相手方の同じポジションの選手なのである。 相手方の監督から「ほしい」と思われる選手になれるか。CLを含む欧州のカップ戦で、対戦したチームから選手を引き抜くことは欧州では昔からよくある。まさに"あるある"なのである。出世を狙う選手はそこを意識したい。「来季ウェストハムでプレーしたい!」という気概が堂安のプレーから感じられたかといえば、残念ながら否だった。 守田所属のスポルティングはアタランタをホームに迎え、1-1で引き分けた。ポルトガルリーグで2位ベンフィカに1ポイント差をつけて首位を行くスポルティング。中2日で迎えたこの試合ではエース、ビクトル・ギエケレシュ(スウェーデン代表)、中盤のモルテン・ヒュルマンド(デンマーク代表)らをスタートで使わなかった。アジアカップ後、絶対的なレギュラーでなくなっている守田が先発起用された理由かもしれない。 セリエAで現在6位を行くアタランタと、試合内容的にはほぼ互角だった。守田は来週行なわれるアウェー戦に先発を飾ることができるか。遠藤に負けるわけにはいかない。
杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki