「この作品がとても好き」映画『ルート29』出演・大沢一菜が語る、綾瀬はるかとの共演。役者としての未来とは? インタビュー
映画『こちらあみ子』(2022)で第36回高崎映画祭最優秀新人俳優賞を受賞するなど、役者としての成長が目覚ましい大沢一菜。森井勇佑監督と再びタッグを組んだ映画『ルート29』では、綾瀬はるか演じる女性と旅を共にする風変わりな女の子ハルを演じる。今回の現場で彼女はどんな経験をしたのか。お話を伺った。(取材・文:山田剛志)
「自分のままでやってほしい」 2度目の森井組で体現した台本に縛られない芝居
―――最初にこの映画の脚本を読んだ時、どういう印象を持ちましたか? 「なんだかとても森井監督らしい脚本だなと思いました。あと、ハルは自分をモチーフにしてるのかなって思いました。見る人それぞれが自由に解釈できるような内容が面白いと思いました」 ―――大沢さんが思う森井監督らしさとは? 「人を傷つけたりしないところです。監督自身の人柄が出ていると思いました」 ―――ハルのどういうところが自分らしいと思いましたか? 「秘密基地を作ったり、周囲の人にあだ名をつけたりするところです。 あと、動物や昆虫に対して分け隔てなく接するところも自分に似ていると思いました」 ―――普段、脚本を読む時、どういうところを意識して読んでいますか? 「自分のセリフはもちろん、相手役の方のセリフにも気を配るようにしています。その上で、その場に合った自然な演技ができるように心がけています」 ―――今回の現場では、森井監督から台本を取られたそうですね。 「はい。最初は台本が取られて戸惑いましたが、『自分のままでやってほしい』という監督の意図を聞いて、自分の感覚で演じることができました。台本に縛られないことで、その場で感じたままに動いて、感情がより素直に出せたと思います」
「綾瀬さんは本当に表現力が豊かで、驚きました」
―――森井監督とは『こちらあみ子』以来のタッグとなりました。前作の現場と今回とで、変化を感じた部分はありますか? 「今回、森井監督は現場で少し格好つけていたと思います。 特に綾瀬はるかさんが近くにいるときは(笑)。でも、自分のままでいられる空気を作ってくれる部分はまったく変わっていませんでした。現場は『本番です!』と急にスイッチを入れ替えるのではなく、いつの間にか本番が始まっていたという感じで、自然体でいられました」 ―――完成した作品を観て、どんな感想を持ちましたか? 「見た人それぞれに感想はあると思いますが、私はこの作品がとても好きです。 登場人物がみんな少しずつ変で、現実にいるのかいないのかわからない感じがあって、そこが魅力だと思います。登場人物が生きているのか、幽霊なのかわからない。独特の空気感に引き込まれました」 ―――綾瀬はるかさんと共演して、どのような女優さんだと思いましたか? 「綾瀬さんは本当に表現力が豊かで、驚きました。 普段はぼーっとしている感じの役でも、緊迫したシーンでは一気に表情が変わって、見る人の感情を引き込む力がありました。 最初は少しだけであまり話せなかったけど、撮影が進むうちに一緒にアクションごっこをしたり、お菓子をあげたりして、距離が縮まりました」 ―――今後、挑戦してみたい役柄はありますか? 「アクション系の役をやりたいです。 スパイみたいな、戦ったり体を使ったりする役柄に興味があります」 ―――大沢さんのアクション映画、観てみたいです。ありがとうございました。 ヘアメイク:TAKAI スタイリスト:田中美穂子 (取材・文:山田剛志)
山田剛志