野村英暉（奈良女子大附）

第106回全国高等学校野球選手権奈良大会1回戦◇大和広陵9－1奈良女子大附◇2024年7月7日◇さとやくスタジアム 【トーナメント表】夏の奈良大会　7日までの結果

　奈良女子大附には注目の打者がいる。それが4番捕手で主将を務める野村 英暉（3年）だ。身長184㎝、体重80㎏と体格にも恵まれており、県内で上位クラスの打撃センスを持つ。1年春から中軸を任され、打線の柱として活躍。昨春の8強進出にも大きく貢献した。 　しかし、この日は序盤から投手陣が打ち込まれて、1対9で7回コールド負け。それでも「悔いは残っていないです」と清々しい表情で話していた。 　この試合に向けて、「体が伸びあがる癖があったので」と1週間前に打撃フォームを改良。上体を前に倒して、ボールを近くで見ることを心掛けたという。 　第1打席は中飛、第2打席は空振り三振に倒れていたが、敗色濃厚となった9点ビハインドの7回裏の第3打席では「歓声が凄くて、それに応えようという意識で打席に入りました」と先頭打者として右前安打を放つ。これを機にチャンスを広げ、無死満塁から代打・浅井 秀友（2年）の右犠飛で野村が生還。後続が続かず、コールド負けを喫したが、最後に意地を見せた。 　最後の夏を終えた野村は大学でも野球を続けることを表明。「高校野球でも思ったより通用して、レベルの高いところに身を置いて揉まれたい気持ちがあります」と強豪大学の受験を視野に入れている。 　中高一貫の進学校である奈良女子大附で6年間を過ごし、着実に力を付けてきた野村。全国レベルの知名度が決してある選手ではなかったが、大学でもその打撃センスは十分に通用するだろう。今後の活躍も楽しみだ。