aespaとaespaが出会った先にあるものとは？東京ドーム公演の感動と散りばめられた布石
K-POPグループが続々と東京ドーム公演を行うなか、aespaが8月17日・18日の2日間、昨年に続く2度目の東京ドーム公演「2024 aespa LIVE TOUR – SYNK : PARALLEL LINE – in TOKYO DOME -SPECIAL EDITION-」を開催した。 【全ての写真】東京ドームだけのスペシャルな演出で2日間で94000人を魅了したK-POPグループ・aespa ガールズグループにおいては2年連続で東京ドーム公演を行ったのは、aespaが初。これまでは、日本デビューをして地盤を固めた後、人気のピークで行う東京ドームが定石だったが、aespaの場合は初回が日本デビュー前で、2度目が日本デビュー直後、しかも「Supernova」が韓国最大のストリーミングサイト「Melon」で2024年リリース楽曲の最長1位期間の記録を樹立中という、まだまだ上り調子のタイミングでの開催だ。 今回の東京ドーム公演は、aespa2度目のワールドツアー「2024 aespa LIVE TOUR – SYNK : PARALLEL LINE」の一環。6月29日のソウルを皮切りに、福岡、名古屋、埼玉、シンガポール、大阪、香港、台北、東京、ジャカルタ、シドニー、メルボルン、マカオ、バンコクなど年内に14地域を回るという。日本では7月6日よりアリーナツアー「2024 aespa LIVE TOUR – SYNK : PARALLEL LINE – in JAPAN」として福岡、名古屋、埼玉、大阪の4都市で全9公演のチケットをソールドアウトさせ、計10万人を動員。その日本公演の集大成となる東京ドーム公演2Daysでもチケットを完売し、追加販売された機材席も売り切れて2日間で94,000人を動員した。
東京ドームだけの特別な演出がてんこ盛り
東京ドーム公演は「SPECIAL EDITION」というだけあり、アリーナツアーからセットリストも演出もアレンジも、さらに衣装さえもアップグレードされていた。特にメインステージから花道が延び、アリーナセンターに設けられた可動式の円形ステージは演出の幅を拡げ、アリーナツアーに訪れたファンにも新鮮な驚きを与えたはずだ。 スペシャル感は、オープニングから際立った。東京ドームのメインステージに巨大なドレープをまとった布が垂れ下がる中、大勢のダンサーによる一糸乱れぬ群舞が行われると、ドレープに4人のシルエットが浮かび上がる。するとスクリーンが開いて、リフターに乗ったKARINA（カリナ）、WINTER（ウィンター）、GISELLE（ジゼル）、NINGNING（ニンニン）が登場。その瞬間に東京ドームが大きなどよめきに包まれた。新しい純白の衣装はゴージャスで、想像を超えた神々しさ。しかもGISELLEが金髪になっている！ そのままメインステージに降り立つと「Drama」でライブはスタート。サビで広いドームのステージ横幅いっぱいにaespaとダンサーのシルエットが赤と黒のコントラストに浮かび上がったシーンは圧巻だった。センターステージまで花道をランウェイにして進むと、「Black Mamba」でファンのコールも大爆発。オープニングブロックの最後を飾ったのは、「Girls」と「SAVAGE」のマッシュアップだ。これはアリーナツアーにはなかった曲とあり、熱狂はさらに大きくなった。VCRを挟んで「Supernova」が放たれたが、ドーム公演を前に日本でも「THE FIRST TAKE」が公開された大ヒット曲とあり、「Supernova」のコールはこの日1番の大きさ。この前半戦だけで、幸福度はマックスに達した。 中盤の目玉は、各人のソロ曲だ。もちろんアリーナツアーでも同じソロ曲を披露してきたが、ここドームではさらにバージョンアップし、演出や衣装も変わっていた。GISELLEの「Dopamine」は、彼女自身が作詞・作曲に参加したボーカルもラップも堪能できるR＆B曲。新しい深紅のドレスに金髪がよく映え、彼女のカリスマ性が堪能できた。KARINAはヒップホップを用いた自身が作詞を手掛けた「UP」をパフォーマンス。フェミニンな印象の彼女だが、鋭い眼差して上着を脱ぎ捨てた後、ピラミッド型の配列でシルエットが浮かび上がるカッコいい演出は目を見張った。 NINGNINGは自身で作詞、振付に参加したR＆Bダンス曲「Bored」を披露。歌とダンスをじっくり楽しむことができたが、満員の客席をバックにした冒頭の演出もまた秀逸だった。WINTERは作詞・作曲を手掛けたEDMテイストの「Spark」で、ダンサーと共に素晴らしいステージを作り上げた。布にシルエットを映し出す演出も美しかったが、花道やセンターステージといったドームならではの地の利を活かしたパフォーマンスも印象的だった。 7月3日に待望の日本デビューを果たしたとあって、アリーナツアーでセットリストに投入された日本デビュー曲「Hot Mess」、「Sun and Moon」に加えて、東京ドームでは「ZOOM ZOOM」が初パフォーマンスされたのも大きなポイントだ。ここでようやく日本デビューシングル『Hot Mess』収録曲全曲のパフォーマンスが出揃ったことになる。また、オープニングパートの「Girls + SAVAGE」のマッシュアップのほかに、日本で人気の高い「Spicy」と「YOLO」も今回の東京ドームでセットリストに加えられた。世界を転戦しながら、短い期間でこの東京ドームへ向けてこれだけの準備をしてきてくれたのは、何とも嬉しいことだ。
