《ブラジル》特別寄稿=日系社会と日本文化の広がり=南米に根付くKARAOKEと祭り=日本財団 和田真
日系人の影響力
日本政府は経済政策の一環として2030年までに訪日外国人旅行者数を6,000万人まで増加させる目標を掲げています。確かに観光客が多ければ経済効果も高まるでしょう。しかし、金額に換算できない価値や魅力を伝えること、その国や地域で独自に発展する日本文化をそっと後押しすることも重要だと考えています。 私はCOPANI、そして一つのイベントとして開催されたKARAOKE、さらに南米各地で行われている「日本祭り」に象徴される、日系人の影響力に驚きました。KARAOKEや日本祭り以外にも、日系人が原動力となって広まっている「日本のコト」は、柔術(JUJUTSU)など枚挙に暇がありません。日本文化や日本理解促進の担い手としての日系人の活躍に、大きな可能性を感じています。世界に500万人いるとされる日系人が、ルーツを感じながら日本語を学びつつ、KARAOKEや日本祭りを楽しみ、日系・非日系を問わずより多くの人々が結果的に日本の文化に触れ、日本に親しみを感じるという連鎖が大きくなることを期待しています。
プロフィール:
2005年に(公財)日本財団に入会。海洋事業部と広報部を経て、2017年より開発協力、海外広報、日系社会支援の業務を所掌。日本財団の日系社会支援については同財団サイト(https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/nikkei-communities)から確認できる。