同県対決によるチャレンジリーグ決勝は、鹿実が優勝
「第7回高校サッカードットコム杯 in 宮崎」のチャレンジリーグ決勝は28日、新富町フットボールセンター東で行われた。カードは鹿児島実業と樟南という、鹿児島県勢同士の対戦。試合は、前半のゴールを鹿実が守りきり、1-0で優勝を勝ち取った。 【フォトギャラリー】 鹿児島実 vs 樟南 今にも降りそうな雨模様の中、試合はスタート。開始早々の2分、樟南は鹿実ゴール正面のバイタルエリアでFKのチャンスを得る。しかし、10番、城戸健成のキックはバーの上を超えていく。その後は鹿実のペースで試合が進む。鹿実はDFラインを大きく上げ、全体をコンパクトに保ちながら樟南ゴールに迫る。一方の樟南は、ビルドアップから繋ぐスタイル。すると、そのビルドアップを鹿実の有馬風ノ涼がインターセプトし、ゴールに流し込んでみせた。同県対決は、早くも鹿実がリードする展開となる。 鹿実のGK、前田輝来が大きな声のコーチングで仲間を鼓舞する中、樟南も徐々にペースをつかめるようになり、両チームの攻防は一進一退で進んでいく。14分、鹿実のクロスはゴールラインを割り、その直後の樟南があげたクロスはオフサイドの判定。鹿実は20分に、CKのチャンスを得るも、ゴールにはつながらない。その5分後、樟南の城戸が相手のパスをインターセプトして攻撃を仕掛けようとするが、パスが繋がらず再び鹿実ボールになった。前半終了間際、樟南の竹宮昊汰が鹿実ゴールに迫ろうとするが、飛び出してきたGK前田と交錯し、ファウルの判定を受けてしまう。試合は鹿実リードのまま、前半を終えた。 前半を振り返って、チームの指揮をとった鹿実の竹之下和翔コーチは、「いい時間帯に相手のビルドアップを断つことで得点できたのは、すごく大きかった。あれで主導権を握れたのが、勝利に繋がったのかなと思う」と語った。一方の、樟南、木村俊喜監督は「最初に鹿児島実業さんのプレッシャーに、子どもたちも戸惑った部分があった。押し込まれる時間が続く中、ビルドアップのミスで失点して、そこから立て直そうという形になってしまった」と悔やんだ。 鹿実のキックオフから後半スタート。樟南は城戸を中心に攻撃を組み立て、再三鹿実陣地に侵入するが、シュートには至らず。後ろからビルドアップで繋ごうとする樟南に対し、鹿実は前半の得点シーン同様、ハイプレスでボールを奪い取ろうとするが、樟南は同じミスはもうしないとばかりにその攻撃をいなす。しかし、前へのボールはなかなか繋がらないまま。両チームともチャンスを得点には繋げられず、時間が過ぎていく。後半アディショナルタイム、樟南の田中祐志がシュートを放つが、惜しくもゴール左に外れてしまう。アディショナルタイム3分で主審の笛が鳴らされ、鹿児島実業がチャレンジリーグを制した。 鹿実の竹之下コーチは試合後、「このフェスティバルで、マイボールにしてから相手のゴール前までどのように進めるか、チーム全体で共有できていなかったという課題が出た。守りの面では固さが出てきたが、攻撃面は得点の形をこれからどう磨いていくか。大量得点できるチームではないので、今年はしっかり守って勝ちを拾っていく戦いになりそうだ」と語った。 敗戦した樟南、木村監督は、「いろんなチームのいろんなサッカーに触れることができて、大変感謝している。私も子どもたちも、本当にいい勉強をさせてもらったという思いと、リーグ戦と総体に向けて、1試合1試合、戦い方にもこだわってやっていきたい」と、決意を新たにしていた。 (文・写真=高浜確也)