3日間で函館観光PR動画制作に挑戦
実践型の映像制作講座「クリエイターズキャンプ」がこのほど、函館市内で開かれた。映像制作を学びたい男女12人が参加し、函館市内でロケをしながら、わずか3日間で市の観光PR動画を制作する、過酷なミッションに挑んだ。
ソニーマーケティング(東京)が主催。昨年10月に福島市で初開催し、函館は5カ所目。9月27~29日に実施し、函館のほか東京、京都、愛知などから20~50代の12人が参加した。
参加者3人と講師、サポートメンバー2人の計6人でチームを組み、計4チームを編成。市からPR映像の制作依頼を受けて1~3分の動画を作り、最終日の午後0時半までに納品するというスケジュール。市からはロケ地として五稜郭や函館山など33カ所が指定され、各チームは設定したテーマに沿ってロケ地を選んだ。
このうち、柏木町のコーヒー店「ヤギーズコーヒー」代表、八木武志さん(47)、静岡県浜松市で保育園を運営する「愛ノ宮」代表、大石隆久さん(51)、東京の旅行会社「ウェルネシー」代表のジェイクさん(45)の3人のチームは市内の定番観光地でSNS映えするスポットを紹介するストーリー仕立てのPR動画を制作テーマに決めた。2日目の午後に五稜郭公園を訪れ、動画撮影用のシネマカメラ2台と三脚を活用し、モデルの女性が五稜郭タワーや箱館奉行所などさまざまな被写体にカメラを向けるシーンを撮影。メンバーで相談を重ねながらロケを進めた。 その後、各チームとも睡眠時間を削って編集作業に当たり、動画を完成。最終日は発表会が行われ、ターゲットや政策意図を説明し、作った動画を観賞。講師のクリエーター7人と市観光部職員1人の計8人が審査に当たり、愛知県のプロカメラマンまほぉさん(27)、根室市の看護師、片山貴夫さん(28)、東京都の八木晋作さん(33)のチームが優勝した。 3人は市民一人一人を”光”に見立て、コンブ漁師と函館八幡宮の神職にインタビューした動画を制作。市のSNSアカウントで使えるように、今後の続編も意識した30秒ほどの短い動画2本にまとめ、映像美や自治体PR動画としての質の高さが評価された。まほぉさんは「メンバーに恵まれていい映像が撮れた。函館は人が温かかった」、片山さんは「どう見せたら感動してもらえる映像が撮れるか考えた。たくさん勉強になった」、八木さん「初日にどういうものを撮りたいかが煮詰まって、意識を共有できたのが大きかった」と喜んでいた。 1~3位の作品はクリエイターズキャンプのウェブサイトで今月中旬から公開しており、二次元コードを通じて閲覧できる。
函館新聞デジタル