J2復帰へ1万人挑戦 カターレ富山・左伴社長、吉平主将 6日、県総で今治戦
●本社で意気込み語る サッカーJ3・カターレ富山が6日のホーム・県総(富山県総合運動公園陸上競技場)でのFC今治戦で来場者1万人に挑戦するのを前に、吉平翼主将と左伴繁雄社長が富山新聞の取材に応じた。吉平主将は「1万人の景色が見たいと心から思った」と熱く語り、左伴社長も「スタンドが青(チームカラー)に染まれば選手が底力を出せる」と力を込めた。チーム史上4度目の大台達成で、悲願のJ2復帰をたぐり寄せる。 【写真】ルヴァン・カップの神戸戦で青く染まったスタンド=5月22日、富山県総合運動公園陸上競技場 「以前なら1万人は無理だと思っていた」と打ち明ける吉平主将の心が動かされたのは今季、平日夜に開催されたYBCルヴァン・カップのJ1・ヴィッセル神戸戦の景色だ。J3時代で過去最高の8223人が詰め掛け、「1万人を集めるポテンシャルがあるし、可能性は十分ある」と感じた。 そんな時、左伴社長がJ2復帰に向けて1万人超えの景色をつくろうと提案。6日の2位今治とのホーム戦をその挑戦に設定した。左伴社長は「富山県民はなかなか火がつかないが、火がつくと止まらないと聞く。今こそ火をつける時なんです」とこの試合で自動昇格圏内の2位に浮上し、J2昇格へ弾みをつける。 そんな社長の思いにいち早く反応したのが吉平主将だ。「1万人チャレンジのために何でもやります」と社長に連絡した。 今季からキャプテンとなった吉平主将が心掛けているのは「まずは自分のことをやる。自分ができていないと人にも言えない。正しいと思ったことはやる」との思いである。 9月後半の週末に試合を控える木曜夜、選手やスタッフが富山駅に集まって来場を呼び掛けるチラシ配りをした。正直、チラシを配ってどのくらいの人が来てくれるんだろうという疑問はないわけではない。 だからこそ、知らない人から掛けられた「応援してるからね」との声が心に響く。吉平主将は「たくさんの人が来てくれて勝つことができれば、やって良かったなと思える」と話す。 今季は失点も敗戦数も首位の大宮に次いで、リーグで2番目に少ない富山。ホームでは開幕から15戦無敗とクラブ記録を更新中だ。左伴社長はチームが崩れない要因を、「みんな言うのは、(吉平)翼のおかげだって。テンションが下がった場面で、要所で効いている」と吉平主将のピッチ上やロッカールームでの言動を手放しで褒める。 ●「お祭り騒ぎの景色見たい」 左伴社長は「お客さん1人でも100%のプレーをしろってよく言う人がいるんだけど、絶対にないと思う」と言い切る。吉平主将も「県総がお祭り騒ぎになっている瞬間を体感したい」と1万人の前での勝利を誓う。 ■カターレ1万人超えのホーム戦 日時 カテゴリー 対戦相手 観客数 2008年3月16日 JFL ギラヴァンツ北九州 1万 704人 10年3月20日 J2 大分トリニータ 1万 726人 13年4月21日 J2 ガンバ大阪 1万3639人