富士山静岡交響楽団 日本オーケストラ連盟「正会員」に “一流の証し”悲願達成
静岡県内唯一の常設プロオーケストラ「富士山静岡交響楽団」(静響、事務局・静岡市駿河区)がこのほど、全国の主要な楽団が集まる公益社団法人日本オーケストラ連盟の「正会員」になった。国内の音楽界から「一流オケ」の証しを得た。 同連盟が17日に開いた総会で、静響は「法人格を有するプロオーケストラ」「年間10回以上の自主演奏会」「運営主体としての事務局組織」などの正会員条件を満たしていると認められた。08年の加盟以降、長年「準会員」だったが、悲願の〝昇格〟を手にした。 正会員は27団体だが、三大都市圏以外を拠点とする「地方オケ」としては7団体目。宮澤敏夫専務理事(81)は「ようやく正会員の仲間入りができた。ほかのオーケストラや演奏者と対等な付き合いができる。県内外で静響を見る目が変わる」と話し、演奏力の向上と官民の支援拡大に期待を込めた。 静響は1988年に創立した静岡室内管弦楽団カペレ・シズオカが母体。2003年にNPO法人化し、20年の浜松フィルハーモニー管弦楽団との合体を経て、22年に公益財団法人へ移行した。演奏の質的向上と並行して「正会員」承認に向けた組織強化を図ってきた。現在は楽員47人で活動する。23年度は県内外での定期演奏会13回を含め、計約140回の演奏会を行った。 00年から静響に関わる前田衛事務局長(80)は「さまざまな出会いと、楽員や事務局関係者の頑張りが素晴らしい形になった。運が良いオーケストラと言えるのでは」と喜びをかみしめた。
静岡新聞社