自民党の石破茂前地方創生担当相が会見(全文1)日米同盟変わらねばならない
天皇陛下の生前退位の問題について
日本が抱えておりますもう1つ大きな問題は、天皇陛下の生前のご退位の問題でございます。それは日本国憲法の一番トップの部分に天皇陛下についての条文が載っているのであり、日本国憲法にとって最も重要な部分であり、わが日本国にとって、そして日本人にとって最も重要な憲法の部分であると私は考えております。日本国憲法は、天皇の地位は国民の総意に基づく。どうやって英語に訳すか知りませんが、国民全ての気持ちが日本国天皇の地位を定めているのだ、と書いてあります。もともと原文の英語はなんて書いてあったんですかね、これは。そして憲法には、天皇さまの位は世襲、すなわち子供たちに引き継がれていくものだと書いてあるだけで、生前に陛下が退位をされることを日本国憲法は禁じておりません。 しかし、天皇ならびに皇室に関するいろいろな細かい規定は、皇室典範という別の法律に記載をされております。そこには、天皇が亡くなったときにその子供が跡を継ぐと書いてあるので、亡くならない限り次に天皇が即位をするということは、予定をされておりません。少なくとも陛下が生前にご退位になることを認めるとすれば、皇室典範の改正か、もしくは特別な法律の制定が必要であります。 そうしますと法律ですので、衆議院において過半数の賛成、参議院において過半数の賛成があれば改正ができます。しかし憲法には、天皇を地位は国民の総意に基づくと書いてあるのであって、これをどうやって矛盾なく解決するかは、実は大きな問題だと思っております。 この問題は、われわれ国会議員が解決をしなければなりません。天皇様の問題で、恐れ多いことであるので、これからは距離を置きたいなぞという姿勢は許されるべきではありません。私は大臣を務めておりますときに今上陛下、天皇陛下の近くで仕事をさせていただく機会、あるいは近くでお話をさせていただく機会に何度も恵まれました。日本国でたった1人、自分のことを一切考えずに、国民のためにいろいろなお働きをなさっておられる、そして祈っておられるのが陛下であります。 そして、世界190数カ国ありますが、陛下にとっては大きな国であれ、小さな国であれ、それは全て同じ国としての扱いをなさっておられます。これは日本国の、まさしく本質そのものが天皇制なのであって、これが続いていくように、われわれ国会議員は全身全霊を挙げて、まさしく、きれいごとで言っているのではなくて、全身全霊を挙げてこの問題に取り組み、答えを出す必要があると考えております。