【特集】モチーフは土崎空襲…タイムスリップした高校生が戦争の時代を追体験 東北大会出場をかけ稽古に熱 秋田南高校演劇部
ABS秋田放送
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高校の文化部の話題です。演劇部の東北大会、演劇発表会が来月大館市で開かれます。去年惜しくも東北大会出場を逃した秋田南高校演劇部は今年こそ出場権を得ようと日々稽古に励んでいます。 今年の劇の題材に選んだのは秋田にも深く刻まれた戦争の記憶です。劇中の一分一秒を平和への祈りも込めて表現しようと取り組む高校生たちを取材しました。 「オーマイガ!」「マイガ??」「なんか薄々やばそうな感じはしてたのよ、この景色の感じとかあんたのその服装とか。まさかとは思ってたけど、今でも全然信じられないんだけど…もしかして今って戦争中?」 14日・15日の2日間開催される県大会に向けて本番さながらに稽古に取り組む秋田南高校演劇部です。 3年生が引退し部員は2年生と1年生あわせて9人。役者はもちろん演出や音響といった裏方の役割も生徒たちが担います。 今年の題材に選んだのは終戦直前に250人以上が犠牲になった土崎空襲です。現代の高校生がタイムスリップして戦争の時代を追体験するという内容です。 「今って何年?」「昭和20年に決まってるじゃない」「今日は8月14日だよ」「土崎、土崎空襲の日だ!」「もうすぐここはやられる、日本最後の空襲がくるんだ」 脚本を手掛けたのは演劇部顧問の小松理津子教諭です。 小松先生 「秋田で日本最後の空襲があったっていうところが、あんまり私も詳しくなかったので、たまたま(土崎)港史料館に行った時にそのお話をしてくれる方がいて、部活だけど部活通しての勉強にもなるので、ぜひ知ってもらいたいところはあったので」 生徒たちが劇中で表現するのは79年前の暮らしです。当時の資料などを通して学んだことを自分たちで作る衣装や道具にもいかしました。 2年髙木愛弥さん 「史料館に入った時に実際に服とか名札とか見せてもらって。それで、こういうふうに名札を書いたりしました」 2年關陽奈子さん 「ちょっと小さめに作ってみたりとか、細くて曲がってたりとか、あんまり立派な野菜は食べられなかったのかなとか想像しながら作ったりしました」「映像とかも見せてもらったんですけど、なんか、本当に人が亡くなるっていうのが一瞬だし、それが収まるのも一瞬なんだなっていうのがすごい心に残りました」「いろんな人がいなくなったり行方不明になったり、貧しく過ごしてるっていうお話とかを、実際に受けた衝撃をその舞台の中でも再現できるように演技することができるようになったと思います」 「土崎空襲の日だ…淑子、今すぐ逃げるよ」「え、どうしたの急に」「逃げるの、お母さんと一緒に逃げるんだよ」「逃げるって?」「もうすぐここはやられる、日本最後の空襲がくるんだ」「ここみ、どうしたの」「逃げるならうちの防空壕があるからそこに」「そこじゃだめなんだよ、もっと遠くに港から離れた場所、そうだ畑のある高清水公園に逃げよう、さぁ早く」「高清水公園ってここから結構歩くのに」「いいから早くお母さんを連れて逃げるの」(B29の飛来音) 演出 2年髙木愛弥さん 「後半の方が流れ気味になっちゃってたかなって思っちゃったんで、もうちょっと」 關陽奈子さん 「特にどことかある?」 髙木さん 「えっとね、星のところとかが流れてた気がして、なんかもうちょっと間とかで工夫できるかなって思ったんで、」 部員一丸となって目指すのは演劇部の東北大会、演劇発表会の出場です。今年は大館市が会場で県内17の高校の演劇部から3校が県代表に選ばれます。表現力や脚本のストーリー性などをもとに総合的な出来栄えが審査されます。 去年は東北大会出場を果たせなかった3年生も今年の劇の出来栄えが気になります。 演劇部前部長 3年蛭田結さん 「(去年は)あと一歩みたいな部分だったので悔しい思いはありつつも、ぜひとも今回は後輩たちに東北(大会)に行ってほしいなっていう気持ちを込めて引き継ぎをしましたね」 蛭田さん 「頑張って、とても良かったです」 地域の歴史を振り返り平和への祈りを表現する秋田南高校演劇部。 2年 足利日菜乃部長 「最後B29の音で終わるのもあるので、やっぱり命があることの大切さと、今あることが当たり前だと思って生きないで、その一日一日を大切に生きるっていうことの大切さを伝えたいなって思います」 東北大会出場をかけた高校演劇部の県大会は14日と15日 東北大会と同じ舞台大館市のほくしか鹿鳴ホールで開かれます。
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