大量の宇宙ゴミ…「ちゃんと捨てる」「掃除する」対策は進んでる? 〝お掃除〟衛星、日本企業が打ち上げ
「ちゃんと捨てる」「掃除する」対策
これから宇宙開発をさらに進めていくには、宇宙ゴミ対策は喫緊の課題。そこで考えられているのが、ゴミを「ちゃんと捨てる」、「掃除する」の二つです。 「ちゃんと捨てる」は、打ち上げたロケットを早めに落下させたり、使い終わった人工衛星を「墓場軌道」と呼ばれるゴミ捨て場に移動させたりすることです。 これらはすでに各国が取り組み始めていて、新たなゴミをなるべく出さないようにしようという意識は高まってきています。 問題は、すでに燃料を使い果たして漂っているゴミです。 これから打ち上げたり、設計したりするロケットや衛星は対策のとりようがありますが、自分で動けないゴミはいかんともしようがありません。 そこで考えられているのが、お掃除衛星を打ち上げて、ゴミを動かそうという計画です。 お掃除衛星がドッキングして相手(ゴミ)を押したり、ケーブルをくっつけて引っ張ったり、磁気の力で軌道を変えたりといった案が検討されています。 しかし、かなり高度な制御が必要です。いずれにしろ、ゴミがどんな状態なのか、確かめてみないとどうしようもありません。 そこで、日本の企業アストロスケールが2月18日夜、ニュージーランドから打ち上げたのが、衛星「ADRAS-J」です。 2009年に打ち上げられたH2Aロケットの残骸に近づいて調査する計画で、漂っているゴミに接近して、状態を近くから確かめます。 アストロスケールは「宇宙のロードサービス時代の幕開けで、世界の宇宙産業界にとっても大きな一歩」としています。