糖尿病治療薬による危険なダイエットで「新たな副作用」が話題に...“オゼンピック乳房”について米医師が解説
本来は2型糖尿病の治療薬だが、体重減に著しい効果があるとして、欧米を中心に人気が爆発したオゼンピック。が、それを使用して体重が減った後に、顔のたるみやシワが増える“オゼンピックフェイス(顔)”や、ヒップがたるむ“オゼンピックバット(尻)”(注:どちらも医学用語ではない)になる可能性があると言われてきた。そんなところに今度は、“オゼンピック乳房”の可能性もあるとSNSで話題になっている。 【写真】2017年の「激太り」からダイエット成功!世界的歌姫、マライア・キャリーのスタイルアルバム TikTokでは、オゼンピックを使用してからバストがたるんだり形が変わったり、柔らかくなったりしたと注意している人たちがいる。が、減量薬がバストにも影響を及ぼすのだろうか? 医師たちが解説する。 話を伺った専門家:ミール・アリ医学博士(カリフォルニア州ファウンテンバレーのオレンジ・コースト医療センター・メモリアルケア・減量手術センター肥満外科医&医療ディレクター)、 クナル・シャー医学博士(ラトガース・ロバート・ウッド・ジョンソン医療センター、内分泌学部准教授)
“オゼンピック乳房”とは?
“オゼンピック乳房”は、医療診断名でも医学用語でもない。そのため、その意味には少しバラつきがあり、オゼンピックを使用してバストに起こった変化の総称として、大まかに使われている。実際に起こった変化は多様だ。バストがたるみ、以前ほど膨らんでいないと言う人がいれば、形が変わったとか、少し痛みがある(これは薬の使用とは無関係かもしれない)と言う人までいる。 オンラインでバストの写真をシェアする人はいないが、概して、使用前ほど膨らみがなくなり、萎んだように見えると表現している。
”オゼンピック乳房”になる原因は?
その多くは、脂肪が減ったからということに帰着する。「薬の副作用というよりは体重減の結果です」とミール・アリ医学博士。乳房には多くの脂肪組織があり、体重が落ちるに従ってバストの脂肪も減っていくのだとアリ博士は説明する。 「顔の脂肪がなくなる“オゼンピック顔”ととてもよく似ています」と、クナル・シャー博士。 が、“オゼンピック乳房”は主には脂肪が失われるのが原因とは言え、筋肉が失われることとも関係がある。「体重がどんどん減っていく中には、筋肉の重さも含まれます」とシャー博士。 “オゼンピック乳房”は単にオゼンピックや減量目的の注射薬の副作用ではないということに注意するのが重要だ。「手術や薬の使用で、あるいは自力で体重が減った患者さんに“オゼンピック乳房”は見られます。方法はどうあれ、体重が減ればバストの脂肪組織は失われ、たるみが起こるのです」とアリ博士は言う。