三菱UFJ銀行と系列証券2社に業務改善命令…顧客企業の非公開情報を無断で共有
顧客企業の非公開情報を無断で共有したなどとして、金融庁は24日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJ銀行と系列証券2社に対し、金融商品取引法に基づく業務改善命令を出した。親会社としての監督責任を検証するため、MUFGには銀行法に基づく報告徴求命令を出した。 【図】いろいろありました…謝罪記者会見
業務改善命令の対象は、同行と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の計3社。証券取引等監視委員会が14日、3社に行政処分を科すよう金融庁に勧告していた。
銀行法では、親会社のMUFGに、傘下の銀行や証券会社に対する健全な経営管理が義務づけられている。金融庁はMUFGと三菱UFJ銀に対し、報告徴求命令を出すことで、問題の原因究明と管理態勢や企業統治(ガバナンス)の改善を求めた。
監視委によると、3社では2021~23年に、少なくとも顧客企業9社の非公開情報が無断で共有され、これを禁じる「ファイアウォール(FW)規制」への抵触があった。三菱UFJ銀は有価証券取引の勧誘を禁じる規定に反し、顧客企業に少なくとも28回、系列証券との取引を勧誘したとしている。
FW規制は、銀行と証券の相互参入が可能になった1993年に導入されたが、欧米に比べて規制が過度だなどとするメガバンクグループからの意見を踏まえ、段階的に緩和されてきた。