沖縄県民大会の参加者6万5千人 翁長知事「守ってあげられずごめんなさい」
沖縄で元米海兵隊員の軍属の男が女性を暴行し殺害した容疑で逮捕された事件を受け、那覇市で19日、被害者を追悼する県民大会が開催された。沖縄県の翁長雄志知事を支えるグループ「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」による開催で、30度を越す真夏日にもかかわらず、主催者発表によると6万5千人が参加した。大会では、被害女性を悼み黙祷が捧げられたほか、遺族からのメッセージが代読された。 【動画】沖縄県民大会、ノーカット動画と翁長知事挨拶の動画
翁長知事「守ってあげることができなかった」
出席した翁長知事は登壇し、女性が遺棄された現場を訪れたことに触れ「あなたを守ってあげることができずごめんなさいというお詫びの言葉が出てきた。(1995年の米兵らによる少女暴行事件を受けて開催された)21年前の県民大会で二度と繰り返さないと誓いながら、政治の仕組みを変えられず、政治家として、知事として痛恨の極みで大変申し訳ない」と述べた。その上で「政府は県民の怒りが限界に達しつつあること、これ以上の基地負担に県民の犠牲は許されないことを理解すべきだ」と強調した。
被害者の父「なぜ娘が」
被害女性の父も出席こそしなかったものの、「米軍人・軍属による事件、事故が多い中、私の娘も被害者の一人となりました。なぜ娘なのか、なぜ殺されなければならなかったのか。次の被害者を出さないためにも、全基地撤去、辺野古新基地建設に反対。県民が一つになれば可能だと思っています」とメッセージを寄せ、大会で読み上げられた。
「怒りは限界を超えた」プラカードで意思
大会では県内の若者も登壇。主催団体の共同代表で、大学4年の玉城愛さんは「安倍晋三さん、日本本土にお住まいの皆さん、今回の事件の第二の加害者は誰ですか。あなたたちです。しっかり沖縄に向き合っていただけませんか。いつまで沖縄県民はばかにされるのか」と訴えかけた。 大会終盤では、参加者らが「怒りは限界を超えた」「海兵隊は撤去を」と書かれたプラカードを掲げ、意思を示す場面もあった。
超党派ならずも、主催者側「大成功」
県民大会には、自公や維新などが「政治色が強い」などと事前に不参加を表明。超党派の大会開催とはならなかったが、主催者幹部は終了後、「3万5千~5万人くらいだと思っていたが、6万5千人も集まり大成功だ」と語った。 県民大会は、沖縄で県民総意の意志を示す手段として、これまでも米軍関係者による凶悪犯罪が発生した際や、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に反対を表明する際などに開催されてきた。1995年の米兵による少女暴行事件が発生した際には8万5千人(主催者発表)が集結。2012年には米軍の新型輸送機オスプレイの沖縄配備に反対する県民大会が開かれ、約10万人(同)が参加した。