小林製薬、紅こうじ事業から撤退 健康被害補償19日に開始
小林製薬は8日、記者会見し、関連サプリメントの摂取者が健康被害を訴えた紅こうじ事業から撤退すると発表した。製品の製造・販売を取りやめる。情報開示が後手になり対応にも厳しい批判が出たことで事業継続は難しいと判断した。健康被害者の入院や通院の補償を19日から始める方針も明らかにした。関連損失は79億円に膨らんだ。 会見は4カ月ぶり。死亡疑い事例の大幅な増加や創業家出身のトップ2人が辞任を決めても会見をしなかったことについて、山根聡新社長は「反省している」と述べた。新たな経営体制で風土改革が断行できるか問われそうだ。 紅こうじ事業からの撤退は8日に開催した取締役会で決議した。撤退の完了日は未定。最初の健康被害把握から公表が遅れたことについて山根氏は「経営陣以下が原因究明に傾注し、誰にどのような結果をもたらすのか想像力を働かせるのが弱かった」とし、健康被害は「あってはならない事態で痛恨の極みだ」と改めて謝罪した。
補償は「紅麹コレステヘルプ」を含む3製品の使用者が対象。医療費や慰謝料、休業などを補償する。