チャンネル登録者数16万人の現役医学生 「医学部あるある」人気に
医学生の日常や医学部受験の秘訣(ひけつ)などを紹介するSNSの動画が人気となった、広島大医学部6年の学生だ。宇江美沙希さん(25)は3年前からティックトックやユーチューブへの動画投稿を始め、フォロワー数とチャンネル登録者数がそれぞれ約16万人になっている。 【写真】動画投稿のきっかけを語る宇江美沙希さん=2024年5月9日午後5時5分、広島市中区、柳川迅撮影 岡山市出身。元々医師への憧れがあり、高校2年の時に俳優の木村拓哉さんが外科医を演じたドラマを見て医学部受験を決めた。1浪して広島大に合格した。 高校時代は目立たない「陰キャ」だったと自称する。転機は大学2年の年末だった。実家に帰った時、母親から「若いうちには何でもやってみた方がいい。私もミスコンに挑戦すればよかった」と言われた。 その言葉に触発されてネットで検索すると、「2021ミス・ジャパン」の募集が目にとまった。ちょうどその日が締め切りだった。 思い切って応募すると、広島県代表への選出を経て、準グランプリに輝いた。 その過程で「アピールになれば」と21年6月の終わりから始めたのが、SNSへの動画投稿だ。 初めは15秒程度の動画を編集するのに2時間かかることもあった。「医学部あるある」といった医学生ならではの動画が多くの再生回数を集めるようになり、医学生の恋愛事情や美容の話題など内容はバラエティーに富む。 実習中に気がついたことをすぐにメモし、ネタ集めには余念がない。「『嬉(うれ)しい瞬間』という動画をシリーズにしているんですが、それは実習中に思いつきました」 動画投稿時間も視聴者が増える夕方から夜にかけての「ゴールデンタイム」を意識。大学の授業が終わって一息つくと、動画の編集をするのが日課になっている。 今は病院実習など多忙な日々を送るが、可能な範囲で動画投稿は続けるという。「医師国家試験を控える学生の様子とか、ありのままの姿を撮っていければ」(柳川迅) サンフレッチェ広島のマスコットキャラクター「サンチェ」、「フレッチェ」と一緒に踊る動画を撮ったことを機に、同クラブの公式グッズプロデューサーに就任。昨年度は広島ホームテレビの「届け!ひろしま応援歌」にレギュラー出演した。
朝日新聞社