国家当局がイーサリアム財団を調査、米SECは団体関連企業に召喚状送付も=報道
団体関連企業らに召喚状も
米証券取引委員会(SEC)が、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の調査を行っているようだ。各社が3月20日報じた。 ブロックチェーンメディアのザ・ブロック(The Block)の報道によれば、開発者プラットフォームギットハブ(GitHub)のイーサリアム財団(Ethereum Foundation)のページに、「イーサリアム財団(イーサリアムのエコシステムの中核を担うスイスの非営利団体)が、とある当局から任意で調査を受けている」といった内容が書き込まれたという。 この投稿は今年2月26日にイーサリアム財団の開発者パブロ・ペティナリ(Pablo Pettinari)氏によって書き込まれたものだ。なお調査の範囲や焦点などは明らかになっていない。 また米ビジネス誌のフォーチュン(Fortune)は21日、SECがイーサリアム財団の複数の関連企業に対し、イーサリアム財団との取引に関する文書や財務記録の提出を求める召喚状を送っていたことを関係者筋の話として報じている。 関係者の話によればSECは、イーサリアムブロックチェーンが2022年9月に「プルーフ・オブ・ステーク」にガバナンスモデルを変更したことを理由に、イーサリアムを証券として定義しようとしているという。 また米コインデスク(CoinDesk)によれば、スイスの規制当局がイーサリアム財団に書類提出要求を出した可能性があり、この動きはSECと連携している可能性があるとのことだ。 SECは今までイーサリアムを有価証券として分類していない。 またSECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、3月7日のブルームバーグTVのインタビューでSECがイーサリアムを証券と見なすかについて質問され、「その質問については保留する」と回答していた。 SECは現在、複数の現物イーサリアム上場投資信託(ETF)の申請について承認可否の判断を求められている状況だ。 これまでSECは、米大手資産運用会社フィデリティ(Fidelity)申請の現物イーサリアムETFの可否判断を1月18日に延期、グレースケール・インベストメンツのイーサリアム現物ETF転換申請を1月25日に延期している。3月4日には米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)の「iシェアーズ・イーサリアム・トラスト(iShares Ethereum Trust)」の上場申請について2度目の判断延期を行っている。 3月6日には大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベース(Coinbase)とSECが同ETFについての話し合いを行ったことが明らかとなっている。 業界では、現物イーサリアムETFの当初の承認期限である5月23日に注目が集まっている。
髙橋知里(幻冬舎 あたらしい経済)